最1小判平成15年6月26日
固定資産課税審査却下決定取消請求事件
【判示事項】 一 固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格が同期日における当該土地の客観的な交換価値を上回る場合における上記価格の決定の適否
二 固定資産課税台帳に登録された平成六年度に係る賦課期日における宅地の価格の決定に同期日における適正な時価を超える違法があるとされた事例
【判決要旨】 一 固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格が同期日における当該土地の客観的な交換価値を上回る場合には、上記価格の決定は違法となる。
二 固定資産評価基準(昭和三八年自治省告示第一五八号。平成八年自治省告示第一九二号による改正前のもの)に定める市街地宅地評価法にのっとり、いわゆる七割評価通達に基づいて平成六年度に係る賦課期日における宅地の価格が決定された場合に、その算定の基礎として評定された標準宅地の価格が同期日におけるその客観的な交換価値を上回り、上記決定に係る宅地の価格を同期日におけるその客観的な交換価値を超えるものではないと推認することができないなど判示の事情の下においては、上記決定のうち同期日における標準宅地の客観的な交換価値に基づき上記市街地宅地評価法にのっとって算定した価格を上回る部分には、同期日における適正な時価を超える違法がある。
【参照条文】 地方税法(平11法15号改正前)341
地方税法349-1
地方税法359
地方税法(平10法27号改正前)381-1
地方税法(平14法17号改正前)410
地方税法(平11法15号改正前)411-1
地方税法(平11法87号改正前)388-1
地方税法(平11法160号改正前)403-1
固定資産評価基準(昭38自治省告示158号、平8自治省告示192号改正前)1章3節1・2(1)
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集57巻6号723頁
裁判所時報1342号191頁
判例タイムズ1127号276頁
判例時報1830号29頁