最高裁判所第3小法廷判決平成18年1月24日
法人税更正処分取消等請求事件
【判示事項】 映画に投資を行う名目で結成された民法上の組合が購入したとされる映画が同組合の組合員である法人の法人税の計算において法人税法(平成13年法律第6号による改正前のもの)31条1項所定の減価償却資産に当たらないとされた事例
【判決要旨】 外国の映画制作会社が制作した映画に投資を行う名目で結成された民法上の組合が,外国銀行からの借入金及び組合員の出資金を原資として,当該映画の所有権等を取得する旨の契約を締結すると同時に,当該映画の配給権を配給会社に付与する旨の配給契約を締結した場合において,当該配給契約により当該映画に関する権利のほとんどが配給会社に移転され,当該組合は実質的には当該映画についての使用収益権限及び処分権限を失っていること,当該組合は当該映画の購入資金の約4分の3を占める借入金の返済について実質的な危険を負担しない地位にあることなど判示の事情の下においては,当該映画は,当該組合の事業において収益を生む源泉であるとみることはできず,当該組合の組合員である法人の法人税の計算において法人税法(平成13年法律第6号による改正前のもの)31条1項所定の減価償却資産に当たらない。
【参照条文】 法人税法(平13法6号改正前)2
法人税法(平13法6号改正前)31-1
法人税法施行令(平12政令145号改正前)13
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集60巻1号252頁
訟務月報52巻12号3656頁
判例タイムズ1208号82頁
判例時報1929号19頁
税務訴訟資料256号順号10278