福岡高等裁判所判決平成23年3月10日
損害賠償請求控訴事件,同附帯控訴事件
コーセーアールイー事件
『平成23年重要判例解説』労働法2事件
【判示事項】 不動産売買等を業とする会社であるA社から採用の内々定を受けたが,予定されていた採用内定通知書授与の日の直前に内々定の取消しを受けたBが,A社に対し,(1)内々定の取消しは,始期付解約権留保付労働契約に違反するもので,債務不履行を構成し,又は,(2)A社の就労への期待権を正当な理由なく侵害し,不法行為を構成する,として,損害の賠償を求めた事案で,原審(福岡地判平成22・6・2,平成21年(ワ)第2166号)は,(1)については始期付解約権留保付労働契約の成立は認められないとしたが,(2)については労働契約締結段階における信義則違反があったとして,慰謝料及び弁護士費用110万円の賠償を命じた。
不法行為の成立を認めた原判決の判断を相当としつつ,損害賠償額を55万円に減額した
【掲載誌】 労働判例1020号82頁