最高裁判所第3小法廷判決平成24年9月4日
所有権移転登記抹消登記手続等,賃料債権取立請求事件
【判示事項】 賃料債権の差押えの効力発生後に賃貸借契約がその目的物の賃借人への譲渡により終了した場合において,その後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることの可否
【判決要旨】 賃貸人が賃借人に賃貸借契約の目的である建物を譲渡したことにより賃貸借契約が終了した以上は、その終了が賃料債権の差押えの効力発生後であっても、賃貸人と賃借人との人的関係、当該建物を譲渡するに至った経緯および態様その他の諸般の事情に照らして、賃借人において賃料債権が発生しないことを主張することが信義則上許されないなどの特段の事情がない限り、差押債権者は、第三債務者である賃借人から、当該譲渡後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることができない。
【参照条文】 民事執行法145
民事執行法151
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事241号63頁
裁判所時報1563号331頁
判例タイムズ1384号122頁
金融・商事判例1413号46頁
金融・商事判例1400号16頁
判例時報2171号42頁
金融法務事情1976号90頁