旅券法に関する裁判例を網羅しています。
目次
第1部 合憲性
第1章 旅券法第13条(一般旅券の発給等の制限)第1項第5号の合憲性
第2章 外国旅行の自由と公共の福祉
第3章 出入国管理令第60条第2項第71条および旅券法第13条第1項(一般旅券の発給等の制限)第14条(一般旅券の発給をしない場合等の通知)第19条第1項第4号(返納)の合憲性
第4章 旅券法23条1項1号(罰則)の規定違憲(憲法19条、31条、38条1項)の主張が欠前提処理された事例
第2部 行政訴訟
第1章 旅券法13条1項5号(一般旅券の発給等の制限)所定の旅券発給拒否事由と客観的事実考慮の許否
第2章 一般旅券発給拒否処分が理由付記の不備のため違法とされた事例
第3章 日本赤軍と密接な関係がある者に対してされた一般旅券発給拒否処分が適法であるとされた事例
第4章 国名が伏せられている外国の情報の信用性を検討したうえ、北朝鮮工作員の指示に従って情報収集活動をしていた等の理由でされた外務大臣の一般旅券返納命令処分に違法がないとして、国家賠償を命じた1審判決を取り消し請求を棄却した事例
第5章 県知事が県の事務を行なうための海外旅行をするに際し、その渡航費につき外貨資金が得られないため、自己の顧問先の貿易商社の用務で旅行する旨虚偽の申請をして特別外貨資金使用許可を得、これによって県知事の海外旅行命令が発せられた場合において、右旅行命令の発令自体が違法となるものではないとされた事例
第6章 既に旅券の交付を受けている者が、旅券の発給申請書に虚偽の記入をしたうえ別の名義の旅券の交付を受けた場合において、外務大臣が後者の旅券を没取した行為および入国審査官が後者の旅券による出国の確認を拒否した行為等が違法ではないとされた事例
第7章 旅券法13条1項5号(一般旅券の発給等の制限)と市民的および政治的権利に関する国際規約(昭和54年条約第7号)12条2項、3項
第8章 トルコとシリアとの国境付近を取材し,発表する計画を有するジャーナリストの控訴人が,外務大臣から受けた旅券返納命令(第1処分)および渡航先制限(第2処分の制限部分)の各取消しを求めた事案
第3部 行政事件訴訟法の執行停止
第1章 一般旅券返納命令の執行停止申立が、具体的な海外渡航計画およびその目的ないし必要性について何ら主張、疎明がないとして、回復の困難な損害を避けるための緊急の必要性があることは認められないとして却下された事例
第4部 刑事事件
第1章 旅券法第13条第1項第5号、第2項(一般旅券の発給等の制限)、出入国管理令第60条第2項、第71条の合憲性
第2章 旅券法第13条第1項第5号(一般旅券の発給等の制限)および出入国管理令第60条第2項の合憲性
第3章 いわゆる密出国の有罪判決における罪となるべき事実の摘示に出国の時を数年間にわたる期間をもって示し、出国の地点については単に「本邦から」とだけ記載し、その方法についてはなんらの記載もない場合と罪となるべき事実の特定
第4章 旅券法第3条第1項第7号(一般旅券の発給の申請)の規定および同号に基づき外務大臣がなした旅券発給申請を受理しない旨の措置は憲法第22条第2項に違反するか(合憲)
第5章 渡航意思のない者が架空の渡航計画に基き旅券の発給を申請してその交付を受けた場合と旅券法23条1項1号違反の罪の成否(積極)
第6章 旅券法3条1項(一般旅券の発給の申請)の旅券発給申請に関する国籍、出入国管理令3条および外国人登録法3条1項にいう外国人の各認識に事実の錯誤があり犯意が否定された事例
第7章 旅券法23条1項3号(罰則)にいう「行使の目的」の意義
第8章 一般旅券発給申請書を他人名義で作成した場合、事前に承諾を得ていたとしても、有印私文書偽造罪が成立するとした事例
第9章 殺人等被告事件につき原審の懲役17年を破棄し,懲役20年を言い渡した事例
第10章 一般旅券発給申請書はその性質上名義人たる署名者本人の自署を必要とする文書であるから、被告人の事前の承諾があったとしても、他人が被告人名義の右申請書を作成してこれを行使した行為は有印私文書偽造、同行使罪に該当し、本件における被告人の具体的な関与の状況に照らせば、名義の使用を承諾した被告人はその共謀共同正犯としての責任を負うとした事例
第11章 一般旅客券発給申請書について作成名義人となる者がこれを作成することを承諾していた場合と有印私文書偽造、同行使の罪の成否
第12章 一般旅券発給申請書に申請名義人と異なる写真を貼付して申請した者につき、人格の同一性を偽った文書を作成したものとして有形偽造の成立を認めた事例
第13章 被告人がレバノンにおいて、政治亡命申請を却下され、ヨルダンに向け国外退去となり、ヨルダンにおいて入国拒否を告げられるまでの一連の経緯は、レバノンあるいはヨルダンの主権に基づいて行われた各処分の結果であるというほかなく、こうした手続の適否が日本における逮捕手続の適法性に影響を及ぼすものではないとされた事例
第14章1 不正の行為により外務大臣から発給を受けた他人名義の一般旅券を行使したとの旅券法違反の罪の犯罪組成物件として当該旅券を没収することの可否(消極)
第15章 旅券法23条1項1号(罰則)にあたる罪と出入国管理令60条2項に違反する罪とは併合罪の関係にあるとした事例