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2020年07月16日
『水防法に関する裁判例』をアマゾンで出版しました。

水防法に関する裁判例をすべて網羅しています。

水防法 (昭和24年6月4日法律第193号)は、洪水または高潮に際し、水災を警戒し、防御し、およびこれに因る被害を軽減し、もって公共の安全を保持することを目的として制定された日本の法律である。

目次

第1部 民事訴訟事件

第1章 被控訴人が,その町内に設置した防災放送塔を通じて毎夕鳴らしている電子音による放送が,電波法52条で禁止されている目的外使用になるとして,その差止めを求めた事案

第2部 水害以外の国家賠償法

第1章 飛弾川バス転落事故の第2審判決

第2章 山崩れで生き埋めになった消防団員の救出作業中に発生した大規模な山崩れにより生き埋めになった消防団員等の死亡事故について、町の消防団長等と県の消防学校長等の違法行為に基づく損害賠償責任が認められなかった事例

第3章 1 国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求に憲法29条3項に基づく損失補償請求を予備的・追加的に併合することが許される場合

2 国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求に憲法29条3項に基づく損失補償請求を控訴審において予備的・追加的に併合する場合の相手方の同意の要否

第3部 水害事件

第1章 洪水により決壊した堤防の背後に設置された仮堤防につき河川管理の瑕疵がないとされた事例

加治川水害事件

第2章 1、河川管理についての瑕疵の有無の判断基準

2、改修計画に基づいて改修中の河川と河川管理の瑕疵の有無

大東水害訴訟

第3章 嘉永年間に築造された堤防が国の所有に属するものであることを認定しながら、右堤防の決壊による水害について、国に右堤防の管理義務がないことを理由に国家賠償法2条に基づく責任を否定した事例

第4章 1、工事実施基本計画に準拠して新規の改修、整備の必要がないものとされた河川における河川管理の瑕疵

2、河川の改修、整備がされた後に水害発生の危険の予測が可能となった場合における河川管理の瑕疵

多摩川水害事件に関する国家賠償請求事件

第5章 1 堤防の基礎地盤に破堤の要因がある場合と河川管理の瑕疵

2 堤体の浸潤に基づく破堤によって生じた水害につき河川管理の瑕疵がないとされた事例

長良川水害事件

第6章 1、多目的ダムの洪水調節容量が昭和47年7月時点で4200万立方メートルのままであったことをもって、ダムの設置または管理に瑕疵があったとは認められないとした事例

2、洪水時において多目的ダムの洪水調節容量の2分の1程度まで毎秒900立方メートルの一定量放流とする方式に合理性があったとした事例

3、多目的ダムの管理者が放流により下流水位の急上昇を見る場合にサイレン吹鳴等の周知義務を怠ったとしても、地方自治体による立退指示が適切になされているため、右懈怠と損害との間に相当因果関係がないとした事例

1級河川・川内川の鶴田ダム事件

第7章 2級河川・厚東川の水害について、ダムの放流量調節に過誤があったとの主張は排斥されたが、ダム操作規則所定の放流の通知、周知に怠りがあり、右懈怠はダムの管理の瑕疵にあたると認められた事例

第8章 1級河川である石神井川の溢水による被害につき、河川管理者たる国および管理費用負担者たる東京都の国賠法2条ないし3条に基づく損害賠償責任を否定した事例(石神井川水害訴訟第1審判決)

第9章 1 下水道施設の安全性は、当該施設自体の規模や能力だけでなく、放流先河川の流下能力まで含めて検討すべきであるとして、放流先が未改修河川のため排水ポンプを調整運転したために溢水した水害につき、下水道施設の設置・管理に瑕疵があるとした事例

2 調整運転という避難行為により保護される法益が、その行為によって侵害された法益よりかなり優越している場合には、その違法性が阻却される

3 包括請求・一律請求は、非財産的損害(慰謝料)についてのみ理由がある

大阪市・寝屋川水害事件

第10章 1 利水ダム管理者の積極的洪水調節義務の有無(消極)

2 新成羽川ダム水害訴訟につき、新成羽川ダムの管理者である中国電力株式会社のダム主任の放流操作には違法がなく、右ダムの設置保存にも瑕疵はなかったとして、民法709条、715条および717条に基づく中国電力株式会社に対する損害賠償請求が棄却された事例

3 新成羽川ダム水害訴訟につき、新成羽川ダムの操作規程には不備・欠陥がないから、右操作規程を承認した行為に違法はなく、ダム設置者に対する河川法52条による指示に3時間弱を要したことにも違法がないとして、国賠法1条1項に基づく損害賠償請求が棄却された事例

4 新成羽川ダム水害訴訟につき、過去に発生した水害の規模、発生の頻度、発生原因、被害の性質、降雨状況、流域の地形その他の自然的条件、土地の利用状況その他の社会的条件、改修を要する緊急性の有無およびその程度等諸般の事情を総合的に考慮し、本件河川の設置、管理に瑕疵はなかったとして、国賠法2条1項に基づく損害賠償請求が棄却された事例

第11章 吉野川・大迫ダム事件

第12章 広島県・太田川水害事件

第13章 国道通行中の車両が土石流の被害にあった事故について,道路管理者が道路通行止めの措置をとらなかったことが,道路の管理の瑕疵に当たるとされた事例

第14章 浸水被害者らが、河川管理者に対し、河川改修工事における河川管理の瑕疵を主張して、国家賠償法に基づく損害賠償を求めたのに対し、河川管理の瑕疵は認められないとして請求を認めなかった事例

第15章 1 国または公共団体の公務員による規制権限の不行使が国家賠償法1条1項の適用上違法となるか否かを判断した事例

2 道路の冠水による危険に対し,交通規制しなかったことが国家賠償法上1条1項の適用上違法となるか否かについて判断した事例

3 道路の冠水による危険に対し,交通規制しなかったことが国家賠償法上2条1項の設置管理の瑕疵になるか否かについて判断した事例

第16章 平成14年に岐阜県大垣市荒崎地区でおきた水害につき,住民らが県に対し,同地区への浸水対策を怠ったことが河川管理の瑕疵にあたるとして慰謝料等合計約8000万円の支払を求めたところ,県の河川管理に瑕疵はなかったとして住民の控訴請求を棄却した事例

第17章 平成15年8月9~10日にかけて,北海道南部の日高地方沖合を通過した台風10号の大雨で,同地方の沙流川下部の富川北地区が浸水した水害により財産的損害を受けたとして,河川の管理者である被告国に対し,国家賠償法に基づき損害賠償を求めた事案

第18章 平成21年8月9日,兵庫県西播磨地区に位置する佐用町において,台風9号の影響により発生した集中豪雨によって,20名が死亡または行方不明となった佐用町水害事件

第4部 地方自治法第242条の2に基づく住民訴訟

第1章 岐阜・建設省公金接待訴訟(水防事務組合)

第2章 一部事務組合(被告は岐阜県海津郡海津町の町長であるが、同町と同郡平田町が設立した一部事務組合である高須輪中水防事務組合)の管理者が県当局者を接待するために行った宴会等の費用を公金により支出したことが違法とされた事例

第3章 利根川水系におけるダム建設の3事業に関し,栃木県内の住民等である控訴人・1審原告(以下「控訴人」)らが被控訴人・1審被告(栃木県知事・以下「被控訴人」)に対し,利水負担金,治水負担金等の各支出が違法な公金の支出に当たるとして,差止め等を求めた事案の控訴審。裁判所は,本件訴えのうち,思川開発事業から撤退しないことが,財産の管理を怠る事実に当たるとする控訴人らの主張を退け,怠る事実の違法確認の対象となる「財産」に水源保有権の設定を受けるべき地位は当たらず,訴えは不適法として却下し,各負担金の支出は,違法な公金の支出に当たらないとしてその余の請求を棄却した原審の判断を支持して控訴を棄却し,控訴審で拡張した損害賠償請求についても棄却した事例

第4章 熊本県の路木川(天草市)河川整備計画等により建設中の多目的ダムについて,原告ら住民が,ダム建設事業に係る公金支出等の差止め(地方自治法242条の2第1項1号)および同県知事に対し,損害賠償を請求(地自法同条同項4号本文)した住民訴訟。裁判所は,過去の洪水被害状況を全く考慮することなく作成された本件整備計画等は,重要な事実の基礎を欠くもので,県知事の裁量権の範囲を逸脱しまたはこれを濫用したとして本件公金の支出を違法としたが,県知事には同支出について故意または過失があったとは認められないとして,判決確定時までに支払義務の生じたものを除き,公金の支出および債務等の義務負担の差止めを認めたが,その余の請求を棄却した事例

第5部 水防に従事した者の公務災害補償に関する審査取消請求事件

第1章 水防法第34条の「同法第17条の規定により水防に従事した者」認められた事例

第2章 1、水防法第34条による災害補償をしない旨の市長の決定は、行政訴訟の対象となるか

2、水防法第17条による水防管理者らの権限を代理行使することが許される範囲

3、水防法第17条による水防管理者らの水防従事命令がないのに水防に従事した者の死亡が、同法第34条所定の災害事由に当たらないとされた事例

第6部 刑事事件

第1章 水害防禦用土のうの無断持出しについて窃盗罪の成立を否認した1事例、水防法違反被告事件

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