不正競争防止法は、知的財産権法に属します。
同法に違反する犯罪は、特別刑法・経済刑法の一種です。
不正競争防止法違反罪に関する主な裁判例を網羅しています。
記述の順序は、最高裁・高裁・地裁の順で、判決の年月日の順です。
目次
第章
第1部 周知標章の模倣
第1章 不正競争防止法第1条第1号にいう「本法施行ノ地域内ニ於テ広ク認識セラルル」(周知性)の意義
第2章 1、不正競争防止法第5条第2号と憲法第22条
2、同号にいう「不正ノ競争ノ目的」の意義
3、同号の罪は反覆継続性を要素とするか
第3章 液体整髪料「バイタリス」の商標、商品の容器および包装の意匠と類似のものを使用し「バイトセブン」の名称を用いた液体整髪料の製造販売につき不正競争防止法違反を認めた事例
第4章 国産洋服生地に英国の地名の英文字を構成要素とする転写マークを押捺表示した行為につき不正競争防止法5条3号にいう「不正の競争の目的」があったとされた事例
第5章 1 類似商標を織り込んで袋帯の製織を完了した段階で、不正競争防止法5条2号・1条1項1号の罪が成立するとされた事例
2 類似商標を織り込んで指定商品である袋帯を製織した行為の擬律
3 類似商標が織り込まれた指定商品である袋帯を譲渡した行為の擬律
第6章 1 テレビゲームのソフトカセットの模造品に、真正なソフトカセットの製造・販売会社の登録商標と同一または類似の商標を印刷表示したラベルを貼付し使用した事案につき商標法違反の罪と不正競争防止法違反の罪の成立を認めた事例
2 商標法違反の罪と不正競争防止法違反の罪の罪数
第2部 品質誤認表示行為
第1章 日本酒の品質を偽る行為の罪
第2章 不正競争防止法5条1号にいう「品質、内容ニ付誤認ヲ生ゼシムル虚偽ノ表示」に当たるとされた事例
第3章 還元乳を生乳に混入した加工乳を「成分無調整」「種類別牛乳」と印刷された紙パックに充填、販売した行為の罪
第3部 営業秘密侵害罪
第1章 不正競争防止法(平成27年法律第54号による改正前のもの)21条1項3号にいう「不正の利益を得る目的」があるとされた事例
第2章 会社のデータベース内にある営業秘密が記録された電磁的記録を持ち出して開示した罪
第3章 大手工作機械メーカーの中国籍の元社員が,製品データを不正に複製し不正競争防止法違反に問われた事案
第4章 不正競争防止法上の技術的制限手段無効化措置等提供罪の成立が認められた事例
第5章 住宅リフォーム業等を営む会社から競業他社に転職した元商品開発部長が不正の利益を得る目的で営業秘密である同事業に関する情報を不正に領得,取得,開示したとされる営業秘密侵害罪の事例
第6章 不正競争防止法2条6項にいう「営業秘密」の要件である秘密管理性が満たされているとされた事例~ベネッセコーポレーション事件
第4部 技術的制限手段の回避
第1章 1 不正競争防止法(平成27年法律第54号による改正前のもの)2条1項10号にいう「技術的制限手段により制限されている影像もしくは音の視聴もしくはプログラムの実行または影像、音もしくはプログラムの記録を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能」の意義
2 不正競争防止法(平成27年法律第54号による改正前のもの)2条1項10号にいう「技術的制限手段により制限されている影像もしくは音の視聴もしくはプログラムの実行または影像、音もしくはプログラムの記録を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能」を有するプログラムに当たるとされた事例
第5部 外国公務員に対する贈賄
第1章 被告人会社およびその役員らが,円借款事業であるサイゴン東西ハイウェイ建設事業に関するコンサルティング契約で有利な取り計らいを受けたいとの意図の下に,ベトナム社会主義共和国東西ハイウェイ・水環境業務管理局長に対し現金を供与するなどの不正競争防止法違反被告事件について,国際商取引における競争の公平性を害するだけでなく,我が国の政府開発援助事業や海外コンサルタント業界に対する信頼をも損なうことになりかねないなどとして,被告人会社を罰金刑に処し,その余の被告人らを懲役1年6月ないし2年に処し,執行猶予に付した事例
第2章 発電機器メーカーの元執行役員が、タイ王国での火力発電所建設工事に関し、同国公務員に対し、下請業者の従業員を介し、現金を供与することを了承したことにつき、不正競争防止法違反の共謀共同正犯が成立するとされた事例