無限連鎖講防止法に関する裁判例を網羅しています。
無限連鎖講防止法は、無限連鎖講(ネズミ講)を取り締まる法律です。
同法は、消費者法、民事法、特別刑法、経済刑法の1つです。
無限連鎖講防止法の正式名称は、
無限連鎖講の防止に関する法律
です。
目次
第1章 人工宝石の販売名下になされた無限連鎖講であることを認めた事例
第2章 無限連鎖講を運営した者に懲役刑と罰金刑とを併科した事例(2件)
第3章 ダイヤの売買に名を借りた無限連鎖講であって公序良俗に反し無効であるとし、関連クレジット会社の買主に対する立替金請求を棄却した事例
第4章 無限連鎖講の防止に関する法律2条にいう「無限連鎖講」に当たるとされた事例
第5章 印鑑セットの売買契約と合体してされた金銭配当契約が、いわゆる無限連鎖講(ネズミ講)にあたり、公序良俗に反し無効とされる場合であっても、信販会社において右事実を知らなかった以上、右無効を理由として信販会社の立替金請求を拒むことはできないとされた事例
第6章 印鑑セット・呉服売買契約が通常の商品売買契約と連鎖式金銭配当契約が合体したもので、後者の契約にあたる部分が無限連鎖講の防止に関する法律により禁止された無限連鎖講の実体を備え公序良俗に反し無効である
第7章 国債ねずみ講(国利民福の会)が公序良俗に反するとして会長らの不法行為責任が認められた事例(過失相殺5割)
第8章 1 身元保証等の引受を業とし保証証券を発行する会社等との間の総代理店契約について、指導料等の報酬はマルチ商法でその他各種の不正常な取引行為がされ、判決書を不当利用した等として、公序良俗に反し無効とされた事例
2 前項の場合において前記会社代表者に対し不法行為に基づく損害賠償責任を認めた事例
第9章 寝具売買代金の立替払契約に基づきクレジット契約書に記載された販売店に売買代金を支払ったクレジット会社から寝具購入者に対する立替金請求事件において、当該寝具販売契約が無限連鎖販売類似の契約であることなどの特殊事情を認定したうえ、寝具購入者がクレジット契約書に記載されている販売店と取引をしたことはないことを理由に立替金の支払いを拒むことは信義則上許されないとして、請求を認容した事例
第10章 マルチまがい商法によるダイヤ販売商法が違法とされ、損害賠償が認められた事例
第11章 1 ダイヤモンド販売商法およびその販売媒介組織が、公序良俗に反し、そのような商法の開設、運営、組織への加入、加入の勧誘およびこれらを助長する全ての行為が公序良俗に反し、違法であるとされた事例
2 公序良俗に反する売買契約によって給付を受けたダイヤモンドは、不法原因給付にあたり、買主がその所有権を取得したとされた事例
第12章 1 昭和63年法第24号による改正前の無限連鎖講の防止に関する法律の施行された昭和54年5月11日以降は、同法2条に定める「金銭配当組織」への加入勧誘行為等は、民法上も当然に違法であり不法行為が成立する
2 「マルチ商法」は、右違法な「金銭配当組織」に類似した「リクルート利益(新規加入者の勧誘成功に対する報酬)配当組織」とそれ自体は適法な「商品流通組織」が結合した構造をもつが、右「商品流通組織」部分が形骸化し、「リクルート利益配当組織」部分が右違法な「金銭配当組織」の要件を充たす場合には、右「マルチ商法」は右「金銭配当組織」そのものにほかならないから、右「マルチ商法」への加入勧誘行為等は違法であり不法行為が成立する
3 昭和63年法第43号による改正前の訪問販売等に関する法律は、「商品の再販売「と「リクルート利益配当組織」とが結合した「マルチ商法」を規制するものであるが、本件商法は「商品の購入と販売媒介委託」という法形式の「商品流通組織」と「リクルート利益配当組織」とが結合したものであり、これと構造を異にするから、本件商法に同法を適用することは許されない
4 本件商法の「商品流通組織」が実質を有し、かつ、その「リクルート利益配当組織」が前記違法な「金銭配当組織」の要件を充たす場合、本件商法の違法性は、その全体において、適法部分である「商品流通組織」部分と違法である「リクルート利益配当組織」部分とが占める割合によって決するのが相当であり、本件商品購入価格中に占める「リクルート利益配当組織」の原資部分の割合をもって、本件商法の右違法部分の割合とみなすのが相当である
5 本件商品である天然石のダイヤは、顧客の購入価格の70パーセント程度の客観的価値を有するから、本件商法は「商品流通組織」の実質を有しており、他方その「リクルート利益配当組織」は前記違法な「金銭配当組織」の要件を充たすものであるところ、本件商品購入価格中に占める「リクルート利益配当組織」の原資部分の割合は約43パーセントであるから、本件商法は全体として違法であり、その加入勧誘行為等は不法行為に当たる
第13章 宝石販売を含む当該商法全体が公序良俗に反して違法であり、当該商法の開設、運営等を行った者は不法行為責任を負うとされた事例
第14章 超音波美容器等の売買契約と同商品の宣伝・広告等の業務委託契約が不可分一体のモニター販売契約とされ、契約自体が公序良俗に反し、勧誘行為も欺罔的であったとして、損害賠償が認められた事例
第15章 健康食品の販売を仮装して会員に利益を分配する取引システムが実質的に無限連鎖講に当たり強度の反社会性を有し公序良俗に違反するとされ,販売会社の破産管財人による幹部会員らに対する配当金等の不当利得返還請求が認められた事例
第16章 カタログ配布事業会社の行った「カタロくじ」事業が無限連鎖講に該当するとし、その会社の幹部や統括代理店の不法行為責任が認められた事例
第17章 公序良俗に反する無効な出資と配当に関する契約により給付を受けた金銭の返還につき,当該給付が不法原因給付に当たることを理由として拒むことは信義則上許されないとされた事例