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新着情報
2020年11月01日
『犯罪収益移転防止法に関する裁判例』をアマゾンで出版しました。

犯罪収益移転防止法に関する最高裁・高裁の裁判例を網羅しています。

犯罪収益移転防止法は、民事法、金融法、刑事法、特別刑法の1つです。

犯罪収益移転防止法の正式名称は、

犯罪による収益の移転防止に関する法律

です。

 

犯罪による収益の移転防止に関する法律は、金融機関等の取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出の義務など、資金洗浄およびテロ資金供与対策のための規制を定める法律です。

通称、犯罪収益移転防止法、または、犯収法(はんしゅうほう)です。

 

従来、日本における資金洗浄(マネーロンダリング)対策の柱となる法律は、「本人確認法」と「組織的犯罪処罰法」の2つでした。

しかし、2003年(平成15年)に改訂されたFATF「40の勧告」において、金融機関のみならず、非金融業者(不動産・貴金属・宝石等取扱業者等)、職業的専門家(弁護士・公認会計士等)についても「規制すべき対象」として追加される。そこで、日本国政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部は、「本人確認法」と「組織的犯罪処罰法」第5章を一本化し、対象業種を拡大する法案を作成すること、FIUを金融庁から国家公安委員会に移管することなどを決定する。

犯罪収益移転防止法は、2007年4月1日に一部施行され、翌2008年3月1日の全面施行により「本人確認法」と「組織的犯罪処罰法」を置き換える形となりました。金融機関との取引に際して行われる本人確認の内容は基本的に変りませんが、宅地建物取引業などが、新たに確認対象業者とされました。

 

2013年4月1日に改正法が施行。確認が必要となる取引や、取引者の個人特定情報のほか、職業・事業内容、取引目的、支配的株主など確認事項が追加されました。

2016年10月1日に改正法が施行。本人確認の身分証明書に証明写真のないもの(健康保険証など)を使用する場合は、証明する書類を2点以上提示することを義務づけられました。

目次

第1部 最高裁判例

第1章 預金通帳等を第三者に譲渡する意図を秘して銀行の行員に自己名義の預金口座の開設等を申し込み預金通帳等の交付を受ける行為は,刑法246条1項の詐欺罪に当たるか

第2章 約款で暴力団員からの貯金の新規預入申込みを拒絶する旨定めている銀行の担当者に暴力団員であるのに暴力団員でないことを表明,確約して口座開設等を申し込み,通帳等の交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例

第3章 本件は、被告人が、2度にわたって覚せい剤を使用したという覚せい剤取締法違反の事案と(以下、初回の覚せい剤使用を「第1事件」、2回目の覚せい剤使用を「第2事件」という。)、他人名義のキャッシュカードを、同カードの暗証番号を記載したメモ紙と共に有償で譲り受けたという犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下、「犯収法」という。)違反の事案である。

第4章 強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否

第2部 高裁判例

第1章 犯罪による収益の移転防止に関する法律26条2項後段の「有償で」預金通帳等を譲り渡すというためには,金銭等の対価の交付等を約束した上で預金通帳等を交付すれば足り,現実に金銭等の対価が交付されることは必要ではない。

第2章 匿名組合の営業者を差押債務者として表示した差押命令による貯金債権の差押えの効力が、匿名組合の営業のために開設された貯金口座に係る貯金債権に及ぶと認められた事例

第3章 法人である預金者の従業員であった者が、真正な預金通帳および銀行届出印を用いて無権限で行ったグループ会社名義の預金口座からの預金払戻しの有効性が肯定され、銀行の不法行為責任等が否定された事例

第4章 デイトレーダーが他人の証券取引口座を利用して「見せ玉」という手法により行った相場操縦事案で,①他人の証券取引口座を利用した相場操縦行為による収益を同口座から口座名義が同一の別の銀行口座に移動することは,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)第10条第1項前段の犯罪収益等の取得または処分についての事実の仮装に当たる旨判示し,②金融商品取引法第198条の2第2項の追徴につき,「同法第198条の2第1項ただし書を適用して,売買代金から買付代金相当額を控除した売買差益相当額に限定すべきである。」旨の弁護人の主張を排斥したもの

第5章 送金代行業務が銀行法2条2項2号の「為替取引」に当たるか(消極)

第6章 電子メールで勧誘を受け電話で話をしただけでどのような人物か分からない氏名不詳者から融資を受けるために,その返済手段または担保として自己名義の通常貯金口座のキャッシュカードを同人に交付した行為の罪責

第7章 他店において真正な通帳と届出印を用いてなされた従業員による法人名義の普通預金の不正払戻しにつき銀行の免責を認めた事例

第8章 郵便物受取サービス業を営んでいた被告人が,特殊詐欺の現金の送付先として被告人の賃借するマンションを利用させ,詐欺,詐欺未遂の犯行を容易にしたとされる事案において,詐欺,詐欺未遂の幇助の故意を肯定した原判決の認定は,論理則,経験則等に反した不合理なものであって是認できないとして,原判決を破棄して無罪を言い渡した事例

第9章 金融機関の預金口座が「犯罪利用預金口座等」(振り込め詐欺救済法2条4項)に該当しないとされた事例

第10章 被用者の横領行為によって損害を被ったという使用者が、その横領に係る金員が預け入れられ、払戻しがされた預金口座の開設先である金融機関に対し、同口座の開設時ないし払戻時の本人確認義務違反を理由として損害賠償を求めた請求を棄却した第1審判決が控訴審においてその結論は相当であるとして是認された事例

第11章 犯罪収益移転防止法違反被疑事件の捜査のため,控訴人宅に赴いた警察官との紛争で,警察官の暴行により受傷したとする控訴人が国家賠償法に基づく賠償請求をし,原審が請求を棄却したのに対し,控訴した事案

第12章 インターネット上に「**」と称する画像共有の機能を有するデータ保管庫を開設し,運営,管理していた被告人らの行為につき,被告人らとわいせつ画像等の投稿者らとの間には,わいせつ画像等を公然と陳列することについての意思の連絡が欠けるとして,投稿者らとの共同正犯を否定したものの,被告人らの行為は,それ自体,わいせつ画像等の公然陳列の作為による正犯行為に当たるとした事例

第13章 本件は、被控訴人が、控訴人から、控訴人の完全子会社であった株式会社P信託(対象会社。旧商号「Q信託株式会社」)を、その株式の全てを買い取って(本件株式譲渡契約)買収したところ、その際、控訴人は、対象会社が日本の法令を遵守して業務を遂行していると表明保証したにもかかわらず、対象会社には、その事業として締結していた信託契約(本件各契約)について、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)4条1項に違反する本人確認義務違反等があり、そのため本件各契約を解約せざるをえず、損害を負ったと主張して、控訴人に対し、本件株式譲渡契約上の表明保証(本件表明保証条項)違反に係る補償条項(本件補償条項)に基づき、上記表明保証違反により生じた損害として9038万5928円およびこれに対するクレーム・ノーティス到達の日の翌日である平成27年10月24日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

第14章 被告人(警察官)が、犯罪捜査で被害者自宅周辺を私服で撮影中、被害者から不審者として衣服をつかまれた際に、被告人が自己の身体を反転させる暴行を加え傷害を負わせたとする特別公務員暴行陵虐致傷罪の事案

第15章 預貯金の払戻しに係る民法478条による免責を認めた原審の判断が控訴審において一部変更された事例

 

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