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新着情報
2020年11月03日
『組織犯罪処罰法に関する裁判例』をアマゾンで出版しました。

組織犯罪処罰法に関する最高裁・高裁の裁判例を網羅しています。

組織犯罪処罰法は、刑事法、特別刑法、刑事訴訟法の1つです。

組織犯罪処罰法の正式名称は、

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律

(平成11年8月18日法律第136号)

です。

同法は、暴力団・テロ組織などの反社会的団体や、会社・政治団体・宗教団体などに擬装した団体による組織的な犯罪に対する刑罰の加重と、犯罪収益の資金洗浄(マネー・ローンダリング)行為の処罰、犯罪収益の没収・追徴などについて定める法律です。

略称は、組織的犯罪処罰法、組織犯罪処罰法など。

暴力団による薬物・銃器犯罪や、地下鉄サリン事件など、組織的犯罪の規模拡大・国際化が大きな治安悪化要因となっていたことから、これに対処するため、同法は制定されました。

目次

第1部 最高裁判例

第1章  1 出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(平成15年改正前)5条2項所定の行為が反復累行された場合の罪数

2 貸金業の規制等に関する法律(平成15年法律第136号による改正前のもの)47条2号,11条1項に違反して無登録で貸金業を営む行為と出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(平成15年改正前)5条2項の制限超過利息を受領する行為との罪数関係

3 出資法(平成15年改正前のもの)5条2項の制限超過利息の取得につき継続的に事実を仮装する意図で,架空人名義の銀行預金口座を入手し,同口座に元金および利息を振り込ませることにより,上記架空人が犯罪収益等を取得したものであるように仮装したなどの判示の事実関係の下においては,組織犯罪処罰法10条1項に該当する上記行為と,個別的に上記制限超過利息を受領する行為とは,刑法54条1項前段の観念的競合ではなく,併合罪の関係にある。

第2章  1 犯罪行為の実行に着手する前に取得した前払い代金等の財産の取得につき事実を仮装した場合と,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律10条1項前段の「犯罪収益等の取得につき事実を仮装した罪」の成否

2 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律10条1項前段の「犯罪収益等の取得につき事実を仮装した罪」の罪となるべき事実の摘示として欠けるところはないとされた事例

3 注文に応じて有償で児童ポルノを送付して提供するに際し,提供者が注文者から取得した金員の一部を送料として支出した場合と,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律による追徴金額の算定方法

第3章 破綻状態で返還能力等がないのに預託金等を集める行為を継続したリゾート会員権販売会社の営業活動が詐欺であり,そのような行為を実行することを目的として成り立つ役員と従業員らによって構成される組織は,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成23年法律第74号による改正前のもの)3条1項にいう詐欺「罪に当たる行為を実行するための組織」に当たるとされた事例

第2部 高裁判例

第1章  「紳士録」商法に、組織犯罪処罰法が適用された事例

第2章 無登録貸金業を組織的に営んだものでない場合にも,組織犯罪処罰法の適用があり,取り立てた金員は,同法の「犯罪収益等」に該当する

第3章 原判決には組織的な恐喝の事実を認定するに当たり、罪となるべき事実としての明確性を欠いた事実を認定したとされた事例

第4章 他人名義で開設した銀行預金口座に振込入金させる方法で金銭を騙取する行為と組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律10条1項前段所定の犯罪収益の取得につき事実を仮装した罪の成否

第5章 バカラ賭博店が賭客と勝負していたことと、賭博開張図利罪と別個の常習賭博罪、組織犯罪処罰法との関係

第6章 組織的犯罪処罰法3条1項9号の組織的な詐欺行為を複数回犯した事案について,併合罪であるとした事例

第7章  1 覚せい剤等の密売を業としたという事案において,原判決が没収を言い渡した定期預金債権等につき,いずれも薬物犯罪収益およびその由来財産に該当しないとされた事例

2 被告人のみの控訴に係る事案において,懲役6年,罰金300万円,定期預金債権等の没収および金1億7426万1225円の追徴を言い渡した原判決が破棄され,懲役5年,罰金300万円および金1億8000万円の追徴が言い渡された事例

第8章 組織犯罪処罰法に基づく追徴に関し、本件預金の全部が犯罪被害財産に当たるとして追徴しなかった原審判決を破棄して、本件預金の一部は犯罪被害財産に当たらないなどとして金580万9957円が追徴された事例

第9章 詐欺罪と組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第10条第1項の犯罪収益等隠匿罪との罪数関係につき,併合罪の関係に立つとした事例

第10章 組織的犯罪処罰法13条2項、16条1項ただし書にいう「犯罪被害財産」の意義

第11章 麻薬特例法12条が準用する組織的犯罪処罰法14条により没収すべき預金債権の額は,最低預金残高とみるべきであるとされた事例

第12章 ポーカーゲーム店における常習賭博事犯で,①同店従業員が現行犯逮捕された際,財布に入れて所持していた現金,②同店摘発時に店舗の金庫内にあった現金,③被告人(同店経営者)名義の銀行に対する預金債権は,いずれも組織的犯罪処罰法2条2項の「犯罪収益」または同条3項の「犯罪収益に由来する財産」に該当するとした事例

第13章 振り込め詐欺グループが,複数回にわたって,詐取金を第3者名義の口座に振込入金させていた事案における犯罪収益等隠匿罪相互の罪数関係および各犯罪収益等隠匿罪と組織的詐欺罪の罪数関係について判断した事例

第14章 振り込め詐欺グループが,複数回にわたって,詐取金を第3者名義の口座に振込入金させていた事案における犯罪収益等隠匿罪相互の罪数関係および各犯罪収益等隠匿罪と組織的詐欺罪の罪数関係について判断した事例

第15章 組織的常習賭博罪(インターネット賭博)における犯罪収益の範囲

第16章 1 店舗に回胴式遊技機(パチスロ機)を設置し従業員十数名を用いて常習賭博を行っていた経営者の行為につき組織犯罪処罰法3条1項1号が適用された事例

2 財産上不正な利益を得る目的で行う回胴式遊技機による常習賭博においてあらかじめ賭客から取得した賭金を全額没収することの可否

第17章 被告人が覚せい剤代金として得た不法財産が被告人の所持金と混和し,当該混和財産は,被告人が所持金から任意提出して検察庁で保管中の紙幣と,拘置所で保管中の被告人の所持金として存続しているから,これら所持金の中から覚せい剤代金相当額を没収すべきであったとして,被告人から同額を追徴した原判決を法令適用の誤りを理由に破棄した事例

第18章 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律18条の2第1項の意義

第19章 貴金属スポット保証金取引の保証金名目で顧客から現金をだまし取った,組織犯罪処罰法違反被告事件において,被告人が認識していた欺もう内容である取引について,罪となるべき事実では仲介取引と,理由中では相対取引およびカバー取引と説示している点で,原判決には理由に食い違いまたは不備があるとされた事例

第20章 自己の経営する会社名義の預金口座に送金を受けた犯罪収益につき,その情を秘して,正当な事業収益の取得であったかのように装って払戻しを受ける行為は,組織犯罪処罰法10条1項前段の「犯罪収益の取得につき事実を仮装し」に該当するとともに銀行に対する詐欺罪の成立も認められる。

第21章 デイトレーダーが他人の証券取引口座を利用して「見せ玉」という手法により行った相場操縦事案

第22章 組織犯罪処罰法10条1項に規定する犯罪収益等隠匿罪の罪数

第23章 犯罪行為の報酬を,共犯者の借名口座宛てに送金する方法で支払った被告人につき,組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿罪)の共同正犯として,罰金刑を併科した原判決の量刑判断を是認した事例

第24章 名義貸しを受けて風俗営業店(キャバクラ)を営業し,売上金の一部を他人名義(営業名義人)の預金口座で管理していた無許可営業および犯罪収益等隠匿事件

第25章 被告人Y1,Y2が共犯者らと共謀した被害者らから医療費の還付金名下に金員を詐取した電子計算機使用詐欺,同未遂の事件で,原審がY1を懲役6年,追徴3630万6321円に,Y2を懲役4年,追徴同に処したのに対し,量刑不当を理由に控訴した事案。控訴審は,高齢者を狙った犯行の手口と組織的,常習的,職業的な犯行態様,被害の多さなどから,原判決の量刑は,言渡し時点では相当としたが,被告人Y1の刑期について,原判決後の贖罪寄付等を踏まえ,懲役5年6月とした事例

第26章 没収から追徴への変更が刑事訴訟法402条の不利益変更に当たる旨判断された事例

第27章 組織的詐欺の公訴事実の一部につき,組織的詐欺未遂ではなく詐欺未遂の限度で共謀が認められるにとどまるとした原判決に対し,事実認定に誤りはないとしながら,その認定事実からでも組織的詐欺未遂の共謀を認定できるとして,法令適用の誤りを理由に職権で原判決を破棄し自判した事例

 

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