卸売市場法に関する裁判例のうち、卸売市場法を根拠条文としているものを網羅しています。
卸売市場法は、行政法、農林水産業法、産業法、事業法の1つです。
卸売市場法(昭和46年法律第35号)は、卸売市場の開設に関する規制等について定める法律です。
1971年(昭和46年)4月3日に公布されました。
最近改正は卸売市場法および食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律(平成30年法律第62号)。
所管官庁は、農林水産省。
卸売市場の整備を計画的に促進するための措置、卸売市場の開設および卸売市場における卸売その他の取引に関する規制等について定めて、卸売市場の整備を促進し、およびその適正かつ健全な運営を確保することにより、生鮮食料品等の取引の適正化とその生産および流通の円滑化を図り、もって国民生活の安定に資することを目的としています。
生鮮食料品等とは、野菜、果実、魚類、肉類等の生鮮食料品その他1般消費者が日常生活の用に供する食料品および花きその他1般消費者の日常生活と密接な関係を有する農畜水産物で政令で定めるものと定義されています。
卸売市場とは、生鮮食料品等の卸売のために開設される市場であって、卸売場、自動車駐車場その他の生鮮食料品等の取引および荷さばきに必要な施設を設けて継続して開場されるものと定義されています。
近年の卸売市場に対するニーズや社会的要請等の状況変化を踏まえ、生鮮農水産物を扱う中央卸売市場の規制を見直すことを目的として、卸売市場法などの改正法が2018年6月15日、成立しました。
これまで、中央卸売市場を開設できるのは都道府県や人口20万人以上の市に限り、認可制としてきていたが、改正法は、国が認定すれば民間企業による運営を可能としました。
また、市場に参加する業者の取引上の制約も緩め、農水産物流通の競争や効率化を促す制度を整え、農家らの販売拡大や所得向上を目指すこととなりました。
すなわち、「第3者販売の禁止」(産地から出荷物を引き受けた卸売業者は仲卸業者を介して市場外の業者と取引する原則)や、「直荷引きの原則禁止」(仲卸が産地とじかに取引できない制約)を緩和するとともに、市場ごとにルールを決められるようにし、公正な市場運営を前提に撤廃も可能としました。
受託拒否の禁止(卸売業者が理由なく出荷物の引き受けを拒めない制約)といった一部の規制は今後も維持されています。
目次
第1章 1、市長の定めた市中央卸売市場の付属営業人募集要項と行政行為の準則としての効力
2、市中央卸売市場での営業許可申請に対し、市長が右募集要項に定めた業種の変更を理由に不許可処分にしたことにつき、裁量権の逸脱、濫用はないとした事例
第2章 中央卸売市場魚類市場水産物部売買参加者承認申請を非承認とした処分が裁量権の範囲を逸脱して違法であるとして取り消された事例~鹿児島市中央卸売市場魚類市場水産物部売買参加者承認申請に係る非承認処分取消請求事件