中小企業等協同組合法に関する最高裁・高裁の裁判例を網羅しています。
目次
第1部 民事訴訟事件―最高裁判例
第1章 中小企業等協同組合法第38条の2第2項にいう理事の重過失を認むべきとした事例
第2章 中小企業信用協同組合の締結した員外預金契約の効力
第3章 中小企業等共同組合法等にいう「従たる事務所」の意義
第4章 1、中小企業等協同組合法に基づく協同組合と株式会社間の取引においてその組合の代表理事が右会社の代表取締役を兼ねているときと同法第38条の準用
2、中小企業等協同組合法に基づく協同組合の理事会の招集手続の瑕疵と理事会の決議の効力
第5章 中小企業等協同組合が代表理事に対し委任できる業務執行の意思決定の権限の範囲
第6章 1、中小企業等協同組合は総会または総代会の決議をもって理事を解任できるか
2、中小企業等協同組合の理事の罷免と民法第651条の準用の有無
第7章 信用組合に対し第3者振出の約束手形を裏書交付し割引金を受領した取引が消費貸借と認められた事例
第8章 中小企業等協同組合法における組合員たる理事が組合を脱退しても、当然に理事資格を喪失するとはかぎらない。
第9章 中小企業等共同組合法による信用組合の役員選挙について,理事の選挙を指名推選の方法によって行なうことにつき,出席者全員の同意があった旨の原審の判断は首肯できるから,本件指名推選は,中小企業等共同組合法35条9,10項に違反して行なわれたものとはいえないとした事例
第10章 中小企業等協同組合法に基づく協同組合について「従たる事務所」の登記がある場合と商法第14条の類推適用の有無
第11章 中小企業等協同組合法に基づく協同組合の脱退組合員に対する持分払戻と持分計算の基礎となる組合財産の評価方法
第12章 信用組合の表見参事が権限なくして約束手形を振り出した場合と信用組合の手形所持人に対する手形抗弁
第13章 手形金債務の支払につき手形外の保証契約が締結されている場合と裏書によって手形債権を取得した者の保証人に対する履行請求
第14章 中小企業等協同組合法に基づく信用協同組合と手形保証
第15章 信用協同組合の商人たる組合員に対する貸付金債権の時効期間
第16章 商工組合創立総会における定款承認議決取消の訴の係属中に右組合の設立が認可され設立登記がされた場合と訴の利益
第17章 職員以外の者が職員を通じてその名義でなした職員定期預金契約の効力
第18章 民法上の組合員の手形責任
第19章 信用組合の即時両建預金を条件とした貸付が独禁法19条に違反するとされるも民法91条、90条には違反しないとされた事例
第20章 1、中小企業等協同組合法に基づく企業組合の脱退組合員に対する払戻持分の計算のための組合財産の評価にあたり将来退職する組合役員・従業員に支払われるべき退職慰労金・退職金につき当期末現在で算出したその相当額を負債として計上することの可否
2、中小企業等協同組合法に基づく企業組合の理事全員の協議により組合の経理業務を担当することとされた理事の事務処理に非違があった場合と同法38条の2第1項所定の損害賠償責任
第21章 中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合が総会の議決により代表理事の報酬限度額を定めた場合において使用人の担当すべき事務にも従事した代表理事に右限度額を超えて報酬を支払うことの許否
第22章 相殺適状時から2年半余を経過した後に信用組合取引約定7条3項により差引計算することが信義則に反しないとされた事例
第23章 1 中小企業等協同組合の組合員の施設等についての具体的な利用関係の性質
2 中小企業等協同組合の解散後の組合員の除名と法定脱退事由
第24章 事業協同組合の「専務理事は理事長が欠員のときはその職務を行う」旨の定款にいう欠員には理事長が任期満了によって退任した場合は含まないと解された事例
第25章 事業協同組合における組合員に対する除名決議が除名事由の特定明示を欠くとして無効とされた事例
第26章 信用協同組合に対する金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分と組合員が組合員代表訴訟を提起し追行する権限の帰すう
第27章 信用協同組合の商人性
第28章 本件説明義務違反が債務不履行責任を構成せず、その結果、これにより発生した損害賠償請求権について民法724条前段が適用され、時効消滅しているとした
第29章 被上告人は、本件行政処分がされた平成12年12月頃には、上告人が本件処分を受けてその経営が破綻したことを知ったというのであるから、その頃、上告人の勧誘に応じて本件各出資をした結果、損害を被ったという事実を認識したといえる。さらに、① 被上告人が本件各出資をしてから本件処分までの期間は8か月余ないし2年6か月余であることや、② 本件処分当日に発表された金融再生委員会委員長の談話や平成13年3月12日に発表された上告人の金融整理管財人の報告書において、平成11年に行われた監督官庁の検査の結果、上告人は、既に債務超過と見込まれ、自己資本充実策の報告を求められていたにもかかわらず、その後も適切な改善策を示すことなく、不良債権の整理回収とはならない表面的な先送りを続けていたなどの事情が明らかにされていたことに加え、③ 平成13年6月頃以降、被上告人と同様の立場にある出資者らにより、本件各先行訴訟が逐次提起され、同年中には集団訴訟も提起されたというのであるから、上告人が実質的な債務超過の状態にありながら、経営破綻の現実的な危険があることを説明しないまま上記の勧誘をしたことが違法であると判断するに足りる事実についても、被上告人は、遅くとも同年末には認識したものとみるのが相当である。
第30章 信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効が,遅くとも同種の集団訴訟が提起された時点から進行するとされた事例
第31章 契約の一方当事者が契約の締結に先立ち信義則上の説明義務に違反して契約の締結に関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合の債務不履行責任の有無
第32章 粉飾経理により多額の損失を隠蔽したまま事業を継続して破産した商工共済組合で,損害を被った組合員が,監督官庁である県に対し,損害賠償訴訟を提起し,裁判所の一部認容判決が確定し,県が賠償金支払後,県の過失が認定される原因とされた当時の県知事に対し賠償金の求償をした事件で,原審が請求の一部を認容したのに対し,上告した事案。
第33章 事業協同組合の理事を選出する選挙の取消しの訴えに,同選挙が取り消されるべきことを理由として後任理事等を選出する後行選挙の効力を争う訴えが併合されている場合は,特段の事情がない限り,先行選挙の取消しの訴えの利益は消滅しない
第2部 民事訴訟事件―高裁判例
第1章 1、中小企業等協同組合法に基く信用協同組合の手形行為と右組合の目的の範囲
2、右信用協同組合が非組合員のために手形保証をなした場合と原因関係
第2章 中小企業等協同組合法において、法令または定款に違反する行為をした理事の、第3者に対する損害賠償義務とその範囲についての1事例
第3章 企業組合総会決議の効力の判定
第4章 手形の振出に関し、組合理事の業務執行につき重大な過失があると認められた事例
第5章 相互銀行法第15条第2項の認可は譲受けの有効要件ではない
第6章 協同組合が理事に対する旧債務支払のため理事会の承認を得ないで振り出した約束手形の効力
第7章 協同組合の員外者に対する貸付の効力
第8章 現金の授受を省略した場合の金融機関からの借受金による定期預金契約の成否
第9章 1、中小企業等協同組合法に基づく信用組合の支店長と手形保証の権限
2、右支店長が所定の権限を超えて保証した手形につき、善意取得が認められた事例
第10章 協同組合理事会の承認を要する事例
第11章 1、中小企業等協同組合法によって設立された信用協同組合は同法第9条の8第2項第2号に当たらない保証契約について権利能力を有するか(消極)
2、理事が法人の事業の範囲外の契約を結んだことによる法人の不法行為責任を認めた事例
第12章 1、中小企業協同組合の組合員たる資格要件に関する定款の規定が拡張解釈された事例
2、右組合員の資格喪失原因たる営業廃止に該当しないと認められた事例
第13章 信用協同組合のその組合員に対する貸金債権と商法522条
第14章 信用協同組合に対し知事の業務停止命令が発せられた場合における預金払戻請求権の有無
第15章 記名式普通預金の預金者の認定
第16章 1 協同組合組合員の脱退による持分払戻請求権の性質
2 右請求権により協同組合に対してした仮差押が違法であるとされた事例
第17章 1、協同組合代表理事選任が無効の場合における商法262条の類推適用
2、事業協同組合の事業の全部の譲渡につき総会の特別決議の要否
3、事実上の協同組合代表理事の権限濫用の行為が無効と認められた事例
第18章 甲信用組合の常務理事兼乙会社の取締役である丙が甲組合から金員の貸付を受け、乙会社がその連帯保証をした場合には乙会社から甲組合の理事会の承認欠缺による貸金の無効を主張できないが、乙会社の右連帯保証は同会社の取締役会の承認を欠き無効である。
第19章 中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合の「支所」が同法44条の「従たる事務所」に当たらないとして支所長につき同条による商法42条の準用が否定された事例
第20章 信用協同組合がその組合員の負担する手形債務について民事上の保証をすることは、組合の附帯業務として有効であるとされた事例
第21章 中小企業等協同組合法(中協法)18条1項に基づく組合員の脱退届(脱退の予告)を撤回しうるとされた事例
第22章 信用組合支店長と顧客との間に顧客から信用組合が受け入れる小切手の手形交換に関し不渡処分を避止すべき準委任契約が成立したと認められた事例
第23章 中小企業等協同組合の組合員除名決議が無効とされた事例
第24章 信用協同組合が非組合員の債務の保証のため重畳的債務引受をなした場合、債務引受は組合の目的業務に含まれ、組合は善意の相手方に対し員外取引を理由にその効力を否定することは許されないとされた事例
第25章 長期にわたる安定した継続的運送契約を基礎として発生し、差押後に支払われる現在及び将来の運送賃債権が民執法151条所定の継続的給付に係る債権に当たり、被差押適格を有するとした事例
第26章 協業組合の代理理事が破産宣告の確定により地位を喪失した場合には、後任者の選任・就職がなくとも、退任を理由とする変更登記手続を求めることができる。
第27章 破綻した信用組合の大口融資規制に反する融資の決裁について旧経営陣に善管注意義務違反があったとして損害賠償責任が認められた事例
第28章 被控訴人会社(レース製造を主たる目的)は,控訴人(中小企業等協同組合法に基づき設立された協同組合)に加入し,出資金300万円,協力金100万円を支払い,被控訴人甲(被控訴人会社の代表取締役)は,控訴人に対し,748万2000円を,利息を年5分とし,弁済期を定めることなく貸し渡したが,その後,被控訴人会社は,控訴人に対して脱退届を提出した際,出資金と協力金を,控訴人が被控訴人会社に原状回復として即時返還する旨の合意をし,また,被控訴人甲は,控訴人に対し,内容証明郵便で,貸金を返済するよう催告する旨の意思表示をした事案で,①被控訴人会社は,控訴人に対し,出資金・協力金合計400万円から共益費用(賦課金)を控除した金額及びこれに対する商事法定利率の割合による遅延損害金の支払を求め(A事件),また,②被控訴人甲は,控訴人に対し,上記消費貸借契約に基づいて,元金及びこれに対する約定の利息及び民法所定の遅延損害金の支払を求め(B事件),一方,③控訴人は,被控訴人らに対し,被控訴人甲は,商法266条の3に基づき,本件負担合意により被控訴人会社が控訴人に負うべき債務と同額の損害賠償債務を負担するとして,その債務及びこれに対する商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた(C事件)。
第29章 1 被控訴人が控訴人に対し,預け入れていた定期預金及びこれに対する商事法定利率年6%の割合による遅延損害金の支払いを求めた事案。原審は,控訴人がこの定期預金を証書の持参人に払い戻したことが,債権の準占有者に対する弁済に当たらず,免責約款により免責される場合にも当たらないとして,被控訴人の請求を認めた。
2 定期預金の支払いを求める被控訴人の請求は理由ありとしたが,遅延損害金については,被控訴人が商人には当たらず,定期預金取引は商行為に当たらないとして,民事法定利率の範囲内で認容した事例
第30章 破綻のおそれのあった信用組合が出資募集し、これに応じた組合員に出資させたが、その後同組合の経営が破綻した場合、出資者の同組合及び組合理事に対する損害賠償請求が一部認容された事例
第31章 被控訴人らの取引先に対する貸付金債権について,被控訴人らと控訴人に合併される前の信用組合との間でされた連帯保証契約は,当時の信用組合の理事長らの権限濫用によるものであり,被控訴人らは当該権限濫用について,悪意又は知らないことにつき過失があるから,民法93条ただし書の類推により,前記信用組合を吸収合併した控訴人は連帯保証契約上の責任を負担しないなどとされた事例
第32章 本件は,中小企業等協同組合法に基づき,控訴人X2会社(以下,控訴人旧会社)が,被控訴人に対する出資持分35口(以下,本件持分)を控訴人X1会社(以下,控訴人新会社)に譲り渡すこと及び出資持分の譲受けにより控訴人新会社が被控訴人の組合員となることの各承認を求めた事案の控訴審
第33章 中小企業等協同組合法3条1号所定の事業協同組合である原告が,大手セメントメーカーの被告らに対し,①取引関係がある原告の組合員と当該被告との間のバラセメントの輸送取引の運賃改定及びこれに関連する事項につき,同法9条の2第12項に基づいて団体交渉を求め得る地位確認,②団体交渉の拒絶につき,共同不法行為等に基づき損害賠償を求めた事案。
第34章 被用者の横領行為によって損害を被ったという使用者が、その横領に係る金員が預け入れられ、払戻しがされた預金口座の開設先である金融機関に対し、同口座の開設時ないし払戻時の本人確認義務違反を理由として損害賠償を求めた請求を棄却した第1審判決が控訴審においてその結論は相当であるとして是認された事例
第3部 労働事件
第1章 控訴人らは,被控訴人らが,①不誠実団交をしたこと,②便宜供与を廃止したこと,③7項目改善点の実施を遅延させたことが不法行為に当たり,また前記実施の遅延は,被控訴人協同組合及び被控訴人会社による債務不履行にも当たるとして損害賠償請求をした事案。
第2章 外国人研修・技能実習制度のもとで研修生および技能実習生の受入れ,短期間の雇用契約または雇用保険上の名義として用いられたにすぎない第2次受入機関は,実質的に指揮命令をして労務の提供を受け,賃金を支払う主体となり得る実態を有していなかったのであるから,被控訴人X1らとの関係では使用者であったと認められない一方,X1らから労務の提供を受け,賃金を支払っていたまたは賃金を支払うべきものといえる控訴人Y1は,研修期間および技能実習期間を通じてX1らの使用者であったといえるとした1審判決が維持された例
第3章 技能実習制度の研修生として来日後に,技能実習生となった被控訴人らが,第2次受入機関であったA社の元代表者の控訴人Y1と元取締役の控訴人Y2らに対し,共同不法行為に基づく賠償を請求し,原審が,請求の一部を認容したのに対し,Y1,Y2が控訴した事案。
第4章 1 事業協同組合である被控訴人兼附帯控訴人(1審被告)Y協組の職員として勤務後に理事および常務理事となった控訴人兼附帯被控訴人(1審原告)Xについて,理事就任後も引き続き労働契約に基づく職員たる地位を継続的に有していたものと認められるとした1審判決が維持された例
2 Xの常務理事解任後も嘱託職員としての再雇用契約は継続していたと認められるとして,未払賃金および退職金の請求が認容された例
3 Xが常務理事であったときに,回収困難となった取引先からの貸付金返済のため控除された金銭について,Xの自由意思に基づいてなされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとはいえず,労働基準法24条1項に違反するとして,1審判決を変更し,不当利得返還請求が認容された例
第5章 労基法9条の「労働者」であるか否かについては,「使用される=指揮監督下の労働」という労務提供の形態(①仕事の依頼,業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無,②業務遂行上の指揮監督の有無,③拘束性の有無)および「賃金支払い」という報酬の労務に対する対償性によって判断すべきと解される(「使用従属性」の判断)が,これらの基準によって「労働者性」を判断することが困難な限界的事例については,「使用従属性」の有無を判断するに当たり,事業者性の有無や報酬の額等の諸要素をも考慮して,「労働者性」の有無を判断すべきであり,被控訴人(1審被告)Y組合がワーカーズ・コレクティブであるとの1事をもって当然に組合員の「労働者性」は否定されず,使用従属性の判断に加え,事業者性の有無等についても慎重に検討のうえ,その「労働者性」を判断する必要があるとした1審判断が維持された例
第4部 知的財産事件
第1章 被上告人に不正競争の目的を有することの証明がないとした原審の判断は,正当であるなどとして,上告を棄却した事例
第2章 「京人形商工業協同組合」の文字を含む登録商標と「京人形協同組合」からの無効審判請求(排斥)
第3章 中小企業等協同組合法上の組合が需要者との売買契約の当事者となって自ら商品を販売している行為が、不正競争防止法1条1項柱書の「営業」に当たるとされた事例
第4章 各ビデオ化使用料請求控訴事件
第5部 文書提出命令
第1章 1 信用組合の取引先に対する貸付元帳が民訴法312条3号後段のいわゆる法律関係文書に当たるとされた事例
2 前項の貸付元帳と信用組合の民訴法281条1項3号に基づく提出拒絶権の有無
第6部 税務訴訟事件
第1章 増額再更正以前の更正、決定等は増額更正の処分内容としてこれに吸収されて一体となったと解されるから、控訴人法人には、増額再更正以前の更正処分の取消を求める法律上の利益はないとされた事例
第2章 相続税における評価にあたり企業組合に対する出資金の評価
第3章 中小企業等協同組合法上の事業協同組合の組合員に対する持分の払戻金のうち,組合員の出資金を超える部分は,組合員の所得に当たるとして,源泉徴収に係る所得税を期限までに納付しなかったことに対する納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分を適法とした事例
第7部 非訟事件
第1章 1、商工協同組合の法定解散による清算人の就任とその承諾の要否
2、商工協同組合法第58条第1項と憲法違反
第8部 刑事事件
第1章 背任、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律違反、預金等に係る不当契約の取締に関する法律違反事件
第2章 背任罪にいわゆる任務違背の行為に当たるとされた事例
第3章 実体を備えない仮装の企業組合の組合員が実質的には個人事業を営みながら、外見上恰も営業用資産を組合に譲渡し、組合の従業員として給与を受けているが如く偽装して、期限内に確定申告所を提出しないで所得税を逋脱したときは、所得税法第69条第1項前段所定の不正行為により所得税を免れた罪を構成する。
第4章 税理士法違反被告事件
第5章 商業協同組合の代表理事が各組合員に対する関係において刑法247条にいう「他人ノ為メ其事務ヲ処理スル者」としての身分を有しないとされた事例
第6章 1 信用組合理事長が約270億円の不正融資をしたことにつき、背任罪の図利加害目的が肯定された事例
2 信用組合の不正融資による背任事件につき、理事長を実刑に処した原判決の量刑が重すぎて不当であるとされた事例