上田 純子、植松 勉、松嶋 隆弘 編著
出版年月 2019年10月
判型・ページ数 A5判・464ページ
定価 本体4,800円+税
少数株主権等の理論と実務
少数株主に代表されるマイノリティ株主が、会社法に基づき権利行使をする場合における、理論上・実務上検討すべき点を解説する。
内容説明
企業法務のなかでも重要な位置をしめる株主総会、役員会運営、株式買取請求等、会社法上の「機関」業務で主に問題となる、少数株主権をはじめとするマイノリティ株主の権利に関する法律実務書。条文をベースとしたオーソドックスかつ詳細な理論面の解説に加えて、実務上のノウハウもわかりやすく提示する。
目次
第1編 総論
Ⅰ はじめに:本書のねらい
Ⅱ 単独株主権の一覧と少数株主権の一覧
Ⅲ 自益権
Ⅳ 共益権
第2編 会社運営にかかる少数株主権
第1章 株主総会に関する少数株主権
Ⅰ 株主による招集の請求(法297条)
Ⅱ 株主提案権(法303条~305条)──「株主総会の活性化」から「建設的な対話の場の形成」へ
Ⅲ 総会検査役の選任請求
第2章 会社の業務執行に関する少数株主権
Ⅰ 業務執行に関する検査役の選任請求(法358条)
Ⅱ 株主による取締役の行為の差止請求(法360条)
Ⅲ 株主による執行役の行為の差止請求
Ⅳ 会計帳簿の閲覧請求(法433条)
第3章 役員の責任に関する少数株主権
Ⅰ 役員の解任の訴え(法854条)
Ⅱ 株主代表訴訟
Ⅲ 多重代表訴訟
第4章 会社の解散の訴え(法833条)
第3編 買取請求、価格決定
第1章 組織再編等における反対株主による株式買取請求権と価格決定
Ⅰ 反対株主による株式買取請求権の意義、趣旨、法的性質
Ⅱ 反対株主による株式買取請求権の要件
Ⅲ 反対株主による株式買取請求権の手続(撤回を含む)
Ⅳ 個々の類型
第2章 キャッシュ・アウトと価格決定
Ⅰ キャッシュ・アウトの意義、必要性
Ⅱ 個々の類型とその異同
第3章 価格の決定方法
Ⅰ 反対株主の株式買取請求の場合
Ⅱ キャッシュ・アウトの場合
第4編 少数株主権と個別株主通知
Ⅰ 個別株主通知の意義
Ⅱ 個別株主通知の法的性質
Ⅲ 個別株主通知の要否
Ⅳ 個別株主通知の時的限界
【感想】
少数株主権についての研究の本は少ないので、貴重です。
内容は、主な学説・裁判例の整理といったところ。
令和元年の会社法改正の成立前の本なので、その点を補う必要があります。