会社法の理論と実務の現在地を知る
田中 亘 (東京大学教授),白井 正和 (京都大学教授),久保田 修平 (弁護士(森・濱田松本法律事務所)),内田 修平 (弁護士(森・濱田松本法律事務所))/編
2020年11月発売
A5判並製カバー付 , 392ページ
定価 4,290円(本体 3,900円)
会社法判例の正確な理解と評価には,理論と実務の双方からのアプローチが必要である。本書では,気鋭の研究者と第一線で活躍する実務家が問題意識を十分に共有し,重要判例を精緻に分析した。『法学教室』の好評連載に,令和元年改正などの動向を補充して単行本化。
目次
Unit 00 〔座談会〕会社法判例の理解を深める
第1部 コーポレートガバナンス
Unit 01 信託を利用した株主権の分離
Unit 02 株主名簿閲覧謄写請求の拒絶事由
Unit 03 取締役の善管注意義務と経営判断原則
Unit 04 親会社取締役の子会社管理義務
Unit 05 株主代表訴訟の対象
Unit 06 役員の対第三者責任
Unit 07 設立中の会社に関する問題
第2部 M&A
Unit 08 第三者からの買収オファーと株式買取請求
Unit 09 非独立当事者間の企業買収における「公正な価格」
Unit 10 非上場株式の「公正な価格」
Unit 11 会社分割と債権者保護
Unit 12 企業買収合意における取引保護条項
Unit 13 支配権争いと不公正発行
Unit 14 債務超過会社の倒産局面における株主の地位と取締役の責任
【感想】
近時の会社法学は、ガバナンス、M&A、ファイナンスがトピックスとなっています。
「Unit 01 信託を利用した株主権の分離」のように最先端の論点もあります。
「第2部 M&A」のうち、株式買取請求の「Unit 08 第三者からの買収オファーと株式買取請求」から、「Unit 10 非上場株式の「公正な価格」」までを読み終えました。
内田 修平氏の論稿の場合わけが秀逸です。ただし、考慮すべきファクターがなぜ考慮すべきかは、各種論文で、理由付けを補うべきでしょう。
本書は、月刊「法学教室」の連載をまとめたものですが、受験生に向けて書かれたというよりも、実務家、学者に向けて書かれたようです。