保険法のポイントをおさえる
甘利 公人 (上智大学名誉教授),福田 弥夫 (日本大学教授),遠山 聡 (専修大学教授)/著
2020年発売
A5判並製カバー付 , 340ページ
定価 2,860円(本体 2,600円)
商法一般・総則・商行為
2単位の講義数である15のUNITで構成し,制度趣旨や実社会での機能をも意識した解説を加えることで,必要な理解に導く。保険法の学習上重要な裁判例を「POINT」として,詳しく引用・紹介。民法改正(債権関係),商法改正等に対応した最新版。
目次
UNIT1 保険法総論
UNIT2 保険契約総論
UNIT3 被保険利益
UNIT4 告知義務
UNIT5 損害保険契約総論
UNIT6 保険代位
UNIT7 損害保険の免責事由
UNIT8 責任保険
UNIT9 自動車保険(1)──自賠責保険
UNIT10 自動車保険(2)──任意自動車保険
UNIT11 生命保険契約
UNIT12 保険金受取人
UNIT13 生命保険の免責事由
UNIT14 傷害疾病保険
UNIT15 保険監督法
【感想】
先日購入して、いま読んでいます。著者は判例に批判的であり、ためになります。
先日、ある法律相談を受けました。
X会社の代表取締役社長Aさんが、会社の事務室で亡くなっているのが発見されました。
事務室からは火災が発生しました。
しかし、医師の検死では、Aさんの肺からは煙を吸い込んだ形跡がないとのことです。Aさんの死因不明との記載が検死検案書にあります。
X社は、工場の建設資金として、約3億円の銀行からの借入金があります。
X社は、Y保険会社との間で、保険契約者をX社、被保険者をAさんとする3億円の生命保険契約を締結していました。
この場合、X社は、Y保険に対して、生命保険金を請求できるでしょうか。
Y保険は、抗弁として、生命保険金を取得する目的のAさんの自殺であるなどと主張して、保険金の支払いを拒否しています。
このようなケースの、そのものズバリの最高裁判例はありません。
本書と『保険法判例百選』有斐閣・2010年で、一応の回答は得られます。