会計帳簿・計算書類等閲覧謄写に関する裁判例を網羅しています。
会社の業務執行に関する少数株主権として、以下のものがあります。
会計帳簿の閲覧謄写請求
会社法433条
株主
計算書類等閲覧謄写請求
会社法442条
株主、債権者
株主および債権者は、営業時間内はいつでも、計算書類等の閲覧または謄写の請求ができます。
親会社社員
株式会社の親会社社員は、裁判所の許可を得て、計算書類等の閲覧または謄写の請求ができます。
目次
第1部 最高裁判例
第1章 株式会社の債権者の会社に対する計算書類の閲覧請求権および騰抄本交付請求権
第2章 株主が商法293条ノ6の規定に基づいてした会計の帳簿および書類の閲覧等の請求が閲覧請求書にその理由を具体的に記載してされたものとはいえないとされた事例
第3章 預託金会員制のゴルフクラブが民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たるとされた事例
第4章 1 商法293条ノ6の規定に基づく会計帳簿等の閲覧謄写請求における当該請求の理由を基礎付ける事実の立証の要否
2 譲渡につき制限のある株式の価格を算定する目的でした会計帳簿等の閲覧謄写請求と商法293条ノ7第1号にいう「株式ガ株主ノ権利ノ確保若ハ行使ニ関シ調査ヲ為ス為ニ非ズシテ請求ヲ為シタルトキ」
第5章 子会社の会計帳簿等の閲覧謄写許可申請をした親会社の株主につき,商法(平成17年改正前)293条の8第2項が不許可事由として規定する同法293条の7第2号に掲げる事由があるというためには,当該株主に閲覧謄写によって知り得る情報を自己の競業に利用するなどの主観的意図があることを要するか
第2部 高裁判例
第1章 株主の閲覧謄写権を保全するために会社の書類帳簿を執行吏保管に移す仮処分の必要性
第2章 会社債権者が有する帳簿閲覧権の範囲
第3章 株主が会計帳簿閲覧請求権に基づき裁判上の請求を行使する場合には、当事者双方に対し攻撃、防禦方法を適正に行使させる上から対象物を単に会計の帳簿および書類と申立てるのみでは足りず、例えば何年度の如何なる帳簿および書類であるかを具体的に特定する必要があるものと解するのが相当である。
第4章 株主のなした株主名簿の閲覧謄写請求が正当事由のないものないし権利の濫用にわたるものとして会社において拒み得るとされた事例
第5章 株主が会社の競業をなす者であるとして帳簿閲覧贈与請求仮処分申請が却下された事例
第6章 1 株式会社の株式を共同相続した相続人の1人が他の相続人と株式を遺産共有する状態で当該会社の会計帳簿の閲覧謄写等を求めることの可否
2 株式会社の株式を共同相続した相続人の1人が株主の権利の確保もしくは行使に関する調査として当該会社の会計帳簿の閲覧謄写等を求めることができるとされた事例
第7章 株式会社の株式を共同相続した相続人の1人が他の相続人と株式を遺産共有する状態で株式の権利の確保もしくは行使に関する調査として当該会社の会計帳簿等の閲覧謄写等の仮処分を求めたのに対し保全の必要性がないとされた事例
第8章 閲覧謄写の対象文書たる会計帳簿の特定
第9章 1 会計帳簿の閲覧謄写の請求について請求の理由が具体的であると認められた事例
2 会計帳簿の閲覧謄写の請求について請求者に別件訴訟の証拠とするため等の言動があったとしても会社法433条2項1号所定の拒絶事由があるとは認められなかった事例
3 会計帳簿の閲覧謄写の請求について請求の理由との関係ですでに必要な会計帳簿等の開示を受けていることを理由に会社法433条2項2号所定の拒絶事由があると認められた事例
第3部 地裁判例
第1章 少数株主権の行使による帳簿閲覧を求める仮処分は許されない
第2章 有限会社の社員からする帳簿書類の閲覧謄写を求める仮処分申請の許否(積極)
第3章 1、株主の過去24期にわたる計算書類・附属明細書の閲覧等請求につき、会社側の書類未作成および法人税納付申告書を附属明細書に代えうるとの主張を排斥した右株主の請求を認めたが、10年の保存期間を経過したものについてはその請求を否定した事例
2、株主の株主名簿閲覧等の請求が不当の目的にでたものとはいえないとされた事例
第4章 遺言執行者と会社の計算書類等の閲覧請求権の有無(消極)
第5章 少数株主から会社に対する帳簿閲覧請求が否定された事例
第6章 総勘定元帳、現金出納帳、手形小切手元帳、売上明細補助簿、会計用伝票が商法293条の6の閲覧謄写請求の対象となる「会計ノ帳簿及書類」に当たるとされた事例
第7章 商法293条ノ7第2号の「会社ト競合ヲ為ス会社」には、近い将来会社と競業を行う蓋然性が高い会社が含まれるとして、株主の帳簿等閲覧謄写仮処分命令申立が却下された事例
第8章 1 法人ノ税確定申告書およびその添付書類が商法293条ノ6第1項にいう「会計ノ帳簿及書類」に該当しないとされた事例
2 商法293条ノ7第1号前段にいう「株主の権利ノ確保若ハ行使ニ関シ調査ヲ為ス為ニ非ズシテ請求ヲ為シタルトキ」に該当するとして、株主の会計帳簿等閲覧・謄写請求を棄却した事例
第9章 会計帳簿等の閲覧謄写の仮処分の申立てにつき保全の必要性がないとされた事例
第10章 会社法433条2項3号所定の「請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業」の意義について判示した事例
第11章 取締役会設置会社の取締役の会社に対する会計帳簿等の閲覧謄写請求権の有無(消極)
第12章 株主の会社に対する株主名簿、総勘定元帳、勘定科目内訳書の閲覧、謄写を求める仮処分が認められた事例
第13章 1 会社が株主に計算書類を交付している場合に当該株主が会社に対して同書類の閲覧またはその謄本の交付を求める請求に理由がないとされた事例
2 会社が計算書類を作成していない場合に株主が会社に対して同書類を作成した上でその閲覧または謄本の交付を求める請求に理由がないとされた事例
3 計算書類の備置期間が経過した後に株主が会社に対して同書類の閲覧またはその謄本の交付を求める請求に理由がないとされた事例
第14章 被告の株主である原告が,定時株主総会の決議(事業年度の計算書類承認決議,取締役および監査役選任決議)の取消しを求めた事案。
第15章 被告らが原告の株主の地位を否定したことの違法性を認め,原告の株主の地位確認請求,株主総会決議不存在確認請求,計算書類等の交付請求等をいずれも認容した事例