倉庫業法に関する裁判例を網羅しています。
倉庫業法
(昭和31年法律第121号)
同法は、商法、商行為法、産業法、事業法の1つです。
目次
第1部 民事訴訟事件・最高裁判例
第1章 1、内容を検査することが不適当な受寄物については品物違いの責任を負わない旨の倉庫証券約款の効力および免責の要件
2、密封された木函入り緑茶が右約款所定の内容を検査することが不適当な物にあたるとされた事例
第2章 寄託者と復受寄者がそれぞれ受寄者と締結した各寄託契約の効力
第3章 固定資産の価格を過大に決定されたことによって損害を被った納税者が地方税法432条1項本文に基づく審査の申出及び同法434条1項に基づく取消訴訟等の手続を経ていない場合における国家賠償請求の許否
第2部 民事訴訟事件・高裁判例
第1章 1、倉庫業法上の倉庫営業者と商法上の倉庫営業者との関係
2、保管中に受寄物が滅失き損した場合と倉庫営業者の賠償責任の有無の判定
第2章 倉荷証券の発行ないし裏書譲渡後と同証券に記載のない商人間の留置権の効力
第3章 受託商品の火災保険申告義務を怠った倉庫業者に対する損害賠償請求が認められた事例
第4章 倉庫寄託契約における口頭による出庫停止の指図の効力
第5章 市が一般用倉庫と冷凍倉庫のものとの固定資産税の評価を誤り,過大に課税徴収されたとして,冷凍庫を所有する業者らが,市に対し過大徴収分の支払いを求めた訴訟の控訴審において,市の課税の誤りを認定し,業者らの請求を棄却した1審判決を取り消し,市に過納金相当額等の支払いを命じた事例
第6章 倉庫会社のトラクター運転手の中皮腫による死亡について会社の安全配慮義務違反の責任を認めた1審判決を維持した上、さらに会社の責任につき説示した控訴審判決例
第3部 民事訴訟事件・地裁判例
第1章 1、神戸港において輸入綿花を荷さばきする場合における荷受会社と倉庫業者との関係
2、保管中に受寄物たる輸入綿花が焼失した場合と倉庫業者の賠償責任の有無の判定
3、商法第617条の適用を排除する免責約款の効力
第2章 倉庫寄託約款の効力および同約款44条の解釈
第3章 共同不法行為者の1人に対する関係では過失相殺し、他の1人に対する関係では過失相殺しなかつた事例
第4章 倉庫業者保管中の山形産米の「虫害」等の事故発生が不可抗力であるとして寄託者の倉庫業者に対する損害賠償請求が排斥された事例
第5章 1、物品を受領した商人に商法510条所定の受領物品保管義務違反が認められた事例
2、商法510条の責任が認められる場合に、物品を送付した商人の帰責事由を考慮して損害の一部につき過失相殺(5割)を行った事例
第6章 輸出のため港湾施設に保管されていた貨物が台風による高潮により損傷した場合、海運業者の不法行為責任と港湾運送業者の債務不履行責任が認められた事例
第7章 原告が被告に対し,倉庫営業者である被告との間で締結した寄託契約に基づき,寄託したニンニクが毀損したことによる損害賠償を求めた事案で,被告には本件毀損を生じさせるについて,帰責事由(重大な過失)があったと認められ,本件毀損によって原告が被った損害を賠償すべき責任があるとして,原告の本訴請求を認容した事例
第8章 原告が,破産会社の管財人である被告に対し,破産手続開始後,原告と破産会社との間の物流業務委託契約が解除されるまでの間に,原告が上記契約に基づく委託業務を遂行したとして,業務委託料,損害賠償債権,費用償還ないし報酬債権等が財団債権に該当するとして,その支払を求めた事案
第9章 冷凍倉庫用の建物に係る固定資産税等の課税について,被告担当職員には,固定資産評価基準に係る非木造家屋経年減点補正率基準表の区分7(2)にいう「冷凍倉庫用のもの」を,文理解釈に従った冷凍倉庫と解釈した上で,課税対象物件の現況を調査し,社会通念上,文理解釈に従った冷凍倉庫として実際に使用されていると判断された建物については,上記基準表区分7(2)に定められた経年減点補正率を適用すべき職務上の注意義務があったにもかかわらず,これを怠ったことから,国家賠償法1条1項の違法性及び過失があると判断された事例。
第10章 東京都知事が固定資産(冷凍倉庫)の価格を過大に決定して過大な固定資産税等の賦課処分をしたことについて,知事及び評価担当職員が職務上の注意義務を尽くさなかったとして国家賠償請求が認容された事例
第11章 日本国内で初めて牛海綿状脳症(BSE)の牛が確認されたため実施されることとなった,全頭検査を経ていない国産牛肉の「牛肉在庫緊急保管対策事業(保管業)」及び保管事業により冷凍保管されていた牛肉の「市場隔離牛肉緊急処分事業(処分事業)」の経費助成について,補助金の対象となる牛肉を保管していないのにこれを保管していると偽り,被告らが,共謀して,補助金を詐取したとする損害賠償請求事件
第12章 ワインの寄託を受けた受寄者に定温・定湿義務の違反があったとして,損害賠償責任が認められた事例
第4部 行政訴訟事件
第1章 貸しビル等において営む「レンタル収納スペース」事業が事業所税の課税客体となることを理由としてされた事業所税に係る各更正処分及び過少申告加算金の各賦課決定処分が,いずれも適法とされた事例
第2章 原告の事業所税に係る更正処分のうち,資産割事業所得税につき,原告主張の税額を超える部分などの取消しを求めた事案について,原告の専有部分は港湾法の「上屋」に当たらないから更正処分は適法として,原告の請求を棄却した事例
第3章 一般貨物自動車運送事業等を目的とする株式会社である原告が,事業所税について,その使用する配送センター及び倉庫等に係る資産割の課税標準となるべき事業所床面積の合計面積等によれば免税点以下となる旨の申告書を作成して提出したところ,東京中央都税事務所長が,課税標準となるべき事業所床面積の合計面積に誤りがあるとして,更正処分をするとともに過少申告加算金の賦課決定処分をしたため,原告が,同事務所長による利用状況の認定等には誤りがあるなどと主張して,処分の取消しを求めた事案
第4章 郵政民営化法にともない消滅会社を吸収合併した原告が,消滅会社が使用した床面積の使用期間分に相当する資産割が原告に課されることで2重課税状態が生じているとして,本件閉鎖申告(消滅会社の閉鎖事業年度に係る納税義務の申告)に係る資産割額の減免申請をしたところ,却下する処分(本件処分)がされたことから,被告(西宮市)に対し,本件処分の取消し及び本件減免申請承認の義務付けを求めた事案。
第5部 刑事事件
第1章 1 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項違反の罪(補助金等不正受交付罪)の成立範囲及びその判断方法
2 保管又は処分した国産牛肉の量に応じて交付される補助金につき,対象外の牛肉等を上乗せして補助金の交付を受けた場合,補助金等不正受交付罪は,交付を受けた補助金全額ではなく,上乗せした牛肉に係る受交付額について成立するとされた事例