外国公務員贈賄罪に関する裁判例を網羅しています。
外国公務員贈賄罪は、不正競争防止法18条1項に規定されています。
同法は、刑事法、特別刑法の1つです。
目次
第1部 刑事事件
第1章 被告人会社及びその役員らが,円借款事業であるサイゴン東西ハイウェイ建設事業に関するコンサルティング契約で有利な取り計らいを受けたいとの意図の下に,ベトナム社会主義共和国東西ハイウェイ・水環境業務管理局長に対し現金を供与するなどの不正競争防止法違反被告事件
第2章 大手建設コンサルタント会社をめぐる事件で,政府開発援助(ODA)事業での,不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)と,中国遺棄化学兵器処理事業について,詐欺の罪に問われた元社長らに対し,わが国への国際的信頼を害しかねないとすると共に,会社が詐取金を弁済したことを考慮したなどとして,被告人らに,執行猶予付懲役刑を言い渡した事例
第3章 被告人は,土木建築業に関する全てのマネージメント及びコンサルティング業務等を目的とする会社の代表取締役であったが,法人税を免れようと企て,架空の設計等委託費を計上するなどの方法により,所得を秘匿した事案
第4章 被告人ら3名は,ベトナム,インドネシア等の各国において,被告A会社の鉄道関連事業に関するコンサルタント契約の締結,履行等に関し有利な取り計らいを受けるべく,外国公務員等にその職務に関する行為をさせることを目的として賄賂を供与した事案。
第5章 発電機器メーカーの元執行役員・被告人と元部長・相被告人は,タイ王国での建設資材の陸揚げ重量制限の問題解決のため,同国公務員に賄賂を供与したとして不正競争防止法違反に問われた事案。
第6章 発電機器メーカーの元執行役員が、タイ王国での火力発電所建設工事に関し、同国公務員に対し、下請業者の従業員を介し、現金を供与することを了承したことにつき、不正競争防止法違反の共謀共同正犯が成立するとされた事例
第2部 民事訴訟事件
第1章 被告会社Y1の開設運営するウェブサイト上に,被告Y2(Y1の代表取締役)が,原告がフィリピン共和国での事業に必要な仮ライセンスを取得するために,同国政府の関係者に対して,子会社等を通じて賄賂を供与したなどの事実を適示する記事(以下「本件記事」)を掲載し,原告の社会的評価を低下させ社会的信用を毀損したとして,Y1に対し,本件記事の削除及び同ウェブサイトトップページへの謝罪広告の掲載を,被告らに対し,損害の一部の賠償を求めた事案。
第2章 パチンコ機等の開発等を目的とする原告が,フィリピンのカジノ事業に関し,被告の新聞及びウェブサイトに記載された記事により,名誉を毀損されたとして,損害賠償と同ウェブサイトの記事の削除及び謝罪広告の掲載等を求めた事案。