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2021年05月26日
『性同一性障害特例法に関する裁判例』をアマゾンで出版しました。

性同一性障害特例法に関する裁判例を網羅しています。

性同一性障害特例法

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律

(平成15年7月16日法律第111号)

性同一性障害者のうち一定の要件を満たす者につき、家庭裁判所の審判により、法令上の性別の取扱い、戸籍上の性別記載を変更できます(家事事件手続法第232条、別表第一)。

通称・略称は、性同一性障害特例法、性同一性障害者特例法。

同法は、民法、民事法、ジェンダー法、LGBT法の1つです。

関連法令として、民法、戸籍法、特別家事審判規則などがあります。

目次

第1部 家事事件

第1章  性別の取扱いの変更申立事件の即時抗告審において,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項1号から5号までに定められた要件は,いずれも十分な合理的根拠があるというべきであって,これらの要件を満たさない性同一性障害の利益が制約されるとしても,そのような規制が立法府の裁量権を逸脱し,著しく不合理であることが明白であるとはいえず,憲法13条に違反するものではなく,また,これらの要件を満たす性同一性障害者と要件を満たさない性同一性障害者との間に区別が生じることになるとしても,憲法14条1項に違反するものではないとして,抗告人に子がいることを理由に申立てを却下した原審判に対する即時抗告を棄却した事例

第2章  性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号と憲法13条,14条1項

第3章 申立人の子に婚姻による成年擬制が及ぶため「現に未成年の子がいない」としてされた性別の取扱いの変更申立てについて,申立権を濫用したものであるとして,申立てを却下した事例

第4章  未成年の子がいる者につき性同一性障害を理由とする名の変更が許可された事例

第5章  性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子と嫡出の推定

第6章 性同一性障害者の特例法に基づき,女性から男性への性別変更の審判後,婚姻した原告が,妻が第三者から精子提供を受けて,人工授精により懐胎した被告との間に,原告を父,被告を子とする父子関係存在の確認を求めた事案。

第7章  性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号と憲法13条,14条1項

第8章 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項2号と憲法13条,14条1項,24条

第2部 民事訴訟事件

第1章  1 戸籍上及び生物学上の性は男性であるが,内心及び身体の外形において女性である留置人に対し,男性警察官らが行った身体検査等が,許される範囲を超えて違法とされた事例

2 戸籍上及び生物学上の性は男性であるが,内心及び身体の外形において女性である留置人を,一般の男性留置人が同室する共同房に留置したことが,裁量の範囲を超えて違法であるとされた事例

第2章  住基ネットの運用で、個人情報が第三者にみだりに開示されたり、漏えいする具体的危険はなく、同ネットは人格権やプライバシー権を侵害し違憲であるとの主張は理由がないとして、自己の同ネットの稼動、運用の差止めと権利侵害による慰謝料の請求を認めなかった事例

第3章  Kの自殺未遂やその後の心身状態悪化の事実は,Y1社に伝えられることがなかったのであるから,Y1社が,Kのリストカットや性同一性障害を認識していたとしても,本件解雇をすれば,Kの心身の状態が悪化して自殺に至る可能性があるとまで予見することは困難であったというほかないとされた例

Kの自殺が復職の可能性の高くなった後に実行されたこと等から,Kの負っていた心理的負荷の主たるものは,本件解雇に伴うものというよりも,Y2との人間関係が崩れたことによるものというべきであって,そうすると,Y1社がKに対する安全配慮の義務に違反した事実は認められず,また,本件解雇とKの本件自殺との間に相当因果関係を認めることもできないとされた例

第4章  性同一性障害のため戸籍の性別を男性から変更した女性が,地元のゴルフクラブが入会を拒否したのは不当として損害賠償を求めた訴訟で,原審が一部認容したところ,控訴審も,いわれのない不利益を被ることによって,その人格の根幹部分に関わる精神的苦痛を受けたものと認めることができるなどとして原判決を維持して控訴棄却とした事例

第5章  夫婦別姓訴訟事件・最高裁判所大法廷判決平成27年12月16日

第6章  被控訴人(1審原告)が,控訴人(1審被告)及び1審相被告に対し,被控訴人と同性の事実婚の関係にあった控訴人が,後に控訴人と婚姻した1審相被告と性的関係を持ったことにより,控訴人と被控訴人との間の同性の事実婚関係が破綻したとして,損害賠償を求めた事案の控訴審

第3部 行政訴訟事件

第1章  性同一性障害を有する男子受刑者に対する調髪処分の差止請求が棄却された事例

第2章  1 トランスジェンダー(Male to Female)であり,国家公務員である原告が,その所属する経済産業省において受けている女性用トイレの使用についての制限が,国家賠償法上,違法であるとされた事例

2 経済産業省の職員による原告に対する発言が国家賠償法上,違法であるとされた事例

3 原告が経済産業省において女性用トイレの使用に関する制限を設けないこと等を要求事項として人事院に対してした勤務条件に関する行政措置の各要求がいずれも認められないとした人事院の判定の一部が,その裁量権の範囲を逸脱し,又はその濫用があったものとして違法であるとして,取り消された事例

第3章  同性の犯罪被害者(犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律2条3項にいう犯罪被害者。以下同じ。)と交際し共同生活を営む関係にあった者が,同法5条1項1号にいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に当たらないとされた事例

 

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