食糧法に関する裁判例を網羅しています。
食糧法の正式名称は、
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律
(平成6年12月14日法律第113号)
同法は、行政法、農業法の1つです。
同法は、米穀の適正円滑な流通・主要食糧の買入れ等の措置などを定めています。
同法は、食糧管理法の後継法律であり、1995年(平成7年)11月1日に施行されました。
目次
第1部 民事訴訟事件
第1章 原告が被告Y1に対し,保証債務の履行として,求償金内金及び事前求償金の合計額等の支払を求めるとともに,同被告から不動産の贈与を受けた被告Y2に対し,詐害行為取消権に基づき,贈与契約の取消及びそれを原因とする所有権移転登記の抹消登記手続を求めた事案
第2章 原告が,輸出貨物の製造に使用する原材料であることを証明するとの農林水産大臣の証明書の発給を受けた場合には,主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律65条1項本文に定める農林水産大臣に対する納付金の納付を不要とする,いわゆる大臣証明制度を利用してもち米を輸入していたところ,大臣証明を取得するための手続において基礎となった輸出許可書が虚偽申請により取得したものであったことなどを理由として,大臣証明が取消され,納付金の納付を余儀なくされたとして,原告の輸入に係るもち米の加工業者,輸出業者及びその代表取締役に対し,共同不法行為に基づく損害賠償を求めた事案
第3章 被告がA協同組合に売り渡し,Aが原告に転売した「MA丸米」を,原告が契約に違反して処分したとして,原告がAへ,Aが被告へと順次支払った違約金(4544万円余)について,原告は,違約金の支払義務がなかったと主張して,不当利得返還を求めた事案
第4章 農林水産副大臣であった原告Xが,その在職中,被告Y1新聞東京本社(以下「被告会社」)発行の日刊新聞に掲載された記事において,Xが中華人民共和国の諜報員に機密情報を漏えいしたなどと報じられたことにより,その名誉を毀損されたとして被告会社に対し,謝罪広告を掲載することを求めるとともに,被告会社及び上記記事を作成した被告Y2に対し,損害賠償を求めた事案。
第5章 農業を営む控訴人らが,整備事業中の需要即応型水田農業確立推進事業(本件事業)による助成の対象であるにもかかわらず,助成金交付に関し,被控訴人町(被控訴人協議会の長)が作成権限を有する「地域活動計画」につき,その事務を被控訴人農協に作成させたうえ,小麦及び大豆に係る助成対象者を被告農協に出荷する者に限定し,助成対象作物から飼料作物を除外したことによって,本件事業に係る助成金交付を受けることができなかったとして,被控訴人らに対し,連帯して,各控訴人の助成金相当額の損害賠償等を求める事案。
第6章 原告(精米業・米販売業者),被告(総合商社)及び政府が,法に基づき,政府が被告から輸入米を買入れ,これを原告らに売り渡す契約を結んだところ,被告が原告らに対し,合意に基づき又は中等品質の輸入米の引渡義務を怠ったことにより,購入費用と現存価値の差額等の損害を被ったとして,原告らが被告に対し,債務不履行に基づく損害金の支払を求めた事案。
第7章 1審被告らと米取引の製造委託契約及び売買契約を締結した1審原告が,1審被告らが,契約上,契約所定の場合以外は商品を返品してはならない債務を負っていたにもかかわらず,商品である米を返品したことによって損害を被ったなどとして,1審被告らに対し,損害賠償を求めた事案
第2部 行政訴訟事件
第1章 減反政策について人格権を根拠にして,被告に対し,各行為の差止めを求めるとともに,被告が減反政策に基づいて平成4年から平成6年に行った違法な行為によって経済的損害ないし精神的損害を被ったと主張して,国家賠償法1条に基づく損害賠償を請求した事案
第2章 減反政策差止等請求事件
第3章 水稲等の耕作の業務を営む者について農業共済組合への当然加入制を定める農業災害補償法(平成11年改正前)15条1項、16条1項、104条1項、農業災害補償法(平成11年改正前)19条と憲法22条1項
第4章 懲戒免職処分を受けた国家公務員の原告が,人事院に対し同処分に対する審査請求をしたところ,同処分を承認するとの判定を受けたため,処分と判定の各取消しを求めた事案
第3部 刑事事件
第1章 米穀の卸売及び小売業について許可制を採用した食糧管理法第8条の3第1項(同法は、平成6年法律第113号の「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」附則第3条により廃止)は、憲法第22条第1項に違反しないか及び食糧管理法第8条の3第1項、第2項がそれぞれ右許可の具体的要件等を定めることを政令に委任しているのは、委任立法の限界を越えて憲法第41条に違反しないか
第2章 全国農業協同組合連合会の県本部幹部職員らが、農業協同組合からの再委託によりこれら組合の組合員らから売渡委託を受けて保管中の玄米を、同連合会の関連会社の用途に充てる目的で、同会社から米穀卸業者に売却させて費消した行為が、業務上横領罪に当たるとされた事例