内航海運業法に関する裁判例を網羅しています。
内航海運業法
(昭和27年5月27日法律第151号)
同法は、内航運送の円滑かつ適確な運営を確保することにより、輸送の安全を確保するとともに、内航海運業の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを定めています。
同法は、行政法、海事法の1つです。
関連法令として、内航海運組合法などがあります。
目次
第1部 民事訴訟事件
第1章 船舶建造適格証に基づく権利の対価を伴う譲渡には民法の売買に関する規定の類推適用がある。
第2章 内航海運業者の無資格者に対する名義貸し等に関する契約が公序良俗に反して無効であるとされた事例
第3章 1 中間判決の1事例
2 運送委託契約書に仲裁条項が存するに拘らず当事者間における仲裁契約の成立を否定した事例
第4章 1、運航委託契約書の仲裁契約文言はいわゆる印刷文言・例文であって、当事者間に拘束力のある仲裁契約の成立は認められないとした事例
2、運航委託契約の解除申込を拒絶することが信義則に反し権利濫用として許されないとした事例
第5章 売買の目的となった船舶の価値に関する錯誤につき、売主に重大な過失があるとされた事例
第6章 台船を曳行中の船舶が沈没した事故につき台船の製造業者、所有者および国に不法行為責任がないとされた事例
第7章 1 船舶建造の引当てとなる解撤船の保有資格(引当資格)の経済的価値は,船腹調整事業が実施された結果の反射的な効果として,事実上発生した取引価値であり,内閣および運輸省が船腹調整事業を解消させる政策決定を行ったことが国家賠償上違法であるということはできないとされた事例
2 内閣等の政策決定により,結果的に引当資格の経済的価値が失われたとしても,引当資格の性質に内在する制約によるものであるから,憲法29条3項によって補償の対象となる特別な犠牲には当たらないとされた事例
第8章 争議行為として船舶を占有する船員,組合役員らに対する,船舶所有者からの引渡請求が認容された例
第9章 内航船舶に設定された船舶抵当権の効力が日本内航海運組合総連合会の営む内航海運暫定措置事業における内航船舶の建造等における納付金に関連して既存の内航船舶に関し認められる一種の資格(納付金免除船舶引当資格)に及ぶか
第2部 民事保全事件
第1章 1、道路建設事業計画(都市計画道路の変更、道路区域の決定、土地収用法上の事業認定)に基づき建設大臣の行う橋梁架設工事は民事訴訟法上の仮処分による差止請求の対象となるか(積極)
2、橋梁架設工事の続行禁止を求める仮処分が被保全権利について疎明がないとして却下された事例
第3部 行政訴訟事件
第1章 内航海運組合連合会がした代替船舶建造承認申請に対する不承認決定に故意・過失がないとして組合員からの損害賠償請求を棄却した事例
第2章 控訴人会社は、乙契約書に記載された売買代金の内訳が正しいことを承知していながら、手元に誤った売買代金内訳が記載された甲契約書も所持していることを奇貨として甲契約書の売買代金内訳に従い、会計帳簿に記帳のうえ係争事業年度の法人税の申告をしたことは、重加算税賦課の要件である「税額等の計算の基礎となるべき事実の一部を仮装したところに基づき納税申告書を提出していた」もの(国税通則法68条1項)に当たるとともに、青色申告承認取消の要件である「その事業年度に係る帳簿書類に、取引の一部を仮装して記載し」たもの(法人税法127条1項3号)に当たるとされた事例
第3章 原告会社が所有するA船舶の建造引当権が不足していたため、B船舶の建造引当権を取得し、A船舶に付加した上で、A船舶を就航させていたのであるから、B船舶ないしB船舶の建造引当権についても法人税法施行令13条にいう「事業の用に供し」たものであるとの原告会社の主張が、原告会社が上記各船舶を購入して以降、本件事業年度終了まで訴外甲がB船舶を使用しており、原告会社がB船舶を解撤した事実も認められないし、本件事業年度内に原告会社がB船舶の建造引当権をA船舶に付加することについて、日本内航海運組合総連合会の承認を受けていたとも認められないから、原告会社の主張は理由がなく課税処分に重大かつ明白な違法があるとは認められないとして排斥された事例
第4部 刑事事件
第1章 国会法74条の質問の請託を受け、その報酬として現金1000万円の供与を受けたとして参議院議員に対する受託収賄罪の成立が認められた事例