教科書臨時措置法に関する裁判例を網羅しています。
教科書臨時措置法の正式名称は、
教科書の発行に関する臨時措置法
昭和23年7月10日法律第132号
同法は、教育法、行政法、著作権法の1つです。
関連法令として、学校教育法、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律などがあります。
目次
第1部 民事訴訟事件・最高裁判例
第1章 1 学校教育法21条1項(昭和45年法律第48による改正前のもの)、51条(昭和49年法律第70号による改正前のもの)、旧教科用図書検定規則(昭和23年文部省令第4号)、旧教科用図書検定基準(昭和33年文部省告示第86号)に基づく高等学校用の教科書図書の検定と憲法26条、教育基本法10条
2 右検定と憲法21条2項前段
3 右検定と憲法21条1項
4 右検定と憲法23条
5 右検定における文部大臣の裁量的判断と国家賠償上の違法
第2章 1 教科用図書の検定に当たって文部大臣が助言、指導の性質を有する改善意見を付することと国家賠償法上の違法
2 高等学校用日本史教科用図書の改訂検定に当たって文部大臣がこれに応ずることを合格の条件とする修正意見を付したことに裁量権の範囲を逸脱した違法があるとされた事例
第3章 1 学校教育法21条1項(平成11年改正前),51条(平成13年改正前),教科用図書検定規則(平成6年改正前),旧高等学校教科用図書検定基準(平成5年改正前)に基づく高等学校用の教科用図書の検定と憲法26条,13条
2 学校教育法21条1項(平成11年改正前),51条(平成13年改正前),教科用図書検定規則(平成6年改正前),旧高等学校教科用図書検定基準(平成5年改正前)に基づく高等学校用の教科用図書の検定と憲法21条
3 学校教育法21条1項(平成11年改正前),51条(平成13年改正前),教科用図書検定規則(平成6年改正前),旧高等学校教科用図書検定基準(平成5年改正前)に基づく高等学校用の教科用図書の検定と憲法23条
4 学校教育法21条1項(平成11年改正前),51条(平成13年改正前),教科用図書検定規則(平成6年改正前),旧高等学校教科用図書検定基準(平成5年改正前)に基づく高等学校用の教科用図書の検定における文部大臣の裁量的判断と国家賠償法上の違法
第2部 民事訴訟事件・下級審裁判例
第1章 文部大臣の教科書検定処分につき検定申請者(著作者又は発行者)以外の第3者が当該教科書の記述によって名誉権を侵害され重大な屈辱を受けたとして国に対し慰謝料を求めた国家賠償請求について、原告らの主張する精神的苦痛は、法律上慰謝料をもって救済すべき損害に当たらないとされた事例
第2章 1 出版会社の編集部員が著作編集に関与した英語教科書について出版会社の共同著作が認められた事例
2 著作権法80条3項にいう「出版権の目的である著作物の複製」の意義
3 教科書の内容を補助教材として自由に利用することができるとする実定法上の根拠はないとした事例
第3章 期間の定めのある契約にあって,契約当事者に解除権が認められるためには,契約の成立当時基礎となっていた事情に変更が生じ,当該事情の変更が信義衡平上当事者を当該契約に拘束することが著しく不当と認められる場合であることを要すると解されるところ,本件では,解除権を認めるべき事情の変更があったと認めることができないとした事例
第4章 私的支配関係である労働契約において,使用者の実施する文書配布による教育が,その配布の目的や必要性(当該企業の設立目的や業務遂行との関連性),配布物の内容や量,配布方法等の配布態様,そして,受領の任意性(労働者における受領拒否の可否やその容易性)やそれに対する自由な意見表明が企業内で許容されていたかなどの労働者がそれによって受けた負担や不利益等の諸般の事情から総合的に判断して,労働者の国籍によって差別的取扱いを受けない人格的利益を具体的に侵害するおそれがあり,その態様,程度がもはや社会的に許容できる限度を超える場合には違法になるというべきであるとされた例
第3部 行政訴訟事件・最高裁判例
第1章 1、学習指導要領の改正と教科用図書検定規則(昭和23年文部省令第4号、昭和52年文部省令第32号による改正前のもの)10条、11条による改訂検定の許否
2、学習指導要領の改正と改正前の学習指導要領のもとにおける改訂検定不合格処分の取消の訴えの利益
第2章 学校教育法51条により高等学校に準用される同法21条の法意
第3章 教育関係法規に違反する授業をしたこと等を理由とする県立高等学校教諭に対する懲戒免職処分が懲戒権者の裁量権の範囲を逸脱したものとはいえないとされた事例
第4部 行政訴訟事件・下級審裁判例
第1章 懲戒免職処分の違法性として、地方公務員法第29条第1項各号に該当しないこと、懲戒権の濫用にあたること、処分手続に公正を欠く重大な瑕疵があることなどの主張はいずれも理由がないとして、処分取消請求を認めなかった事例
第2章 生徒の抗議に端を発した学内紛争にかかわって、自己の担当授業を実施しなかったこと等を理由とする高校教諭に対する懲戒免職処分が有効とされた例
第3章 1 公立中学校の生徒,生徒の親権者である保護者と中学校を設置する地方自治体との間の私法上の契約関係の存在を否定し,教科用図書に誤った知識等を植え付けるような記述をさせてはならないという義務違反についての,債務不履行を原因とする損害賠償請求を棄却した事例
2 公立中学校における教育について,個々の生徒又はその親に教科書の記載によって侵害されるべき法的利益の存在を肯定することはできないとして,不法行為を原因とする損害賠償請求を棄却した事例
第5章 杉並区の住民である原告らが,H社発行の歴史教科書及び公民教科書を,杉並区教育委員会が杉並区立中学校で使用する教科用図書として採択してはならないとの裁判を求める訴えについて,この訴えはいずれも不適法で,その不備を補正することができないとして,却下した事例
第6章 東京都杉並区の住民である原告らが,(1)同区立中学校で使用する歴史教科書の採択に違法があったことから,これに関係する費用支出は違法・無効であるとし,被告(杉並区)との間で,公金支出の無効確認を求めるとともに,(2)当該支出行為は不法行為に当たるとして,同区長の地位にあったIに,同支出金の支払を請求するよう被告(杉並区長)に求めた住民訴訟。裁判所は,(1)本件処分は行政処分ではないとして訴えを却下し,また,(2)本件調査委員会のした調査及びその報告書は,関係法令等が定める趣旨・目的にそって実施・作成された等,費用の支出は違法とはいえないとして,請求を棄却した。
第7章 都教委が訴外会社発行教科書の学校使用を不適切と決議し,これを都立高校学校管理者に通知(本件都教委通知)したことに関し,①原告ら(都の住民)が,本件都教委通知は違法であるとして,(主位的)本件都教委通知の取消しを,(予備的)その無効確認を各求めるとともに,被告(都)が当時の都教育長・委員らに対する各金員の支払請求の義務付け,被告に対する国家賠償法上の慰謝料等の各支払をそれぞれ求め,②被併合事件原告ら(一部)による本件都教委通知に関する住民監査請求に対する都監査委員の監査しない旨の通知(本件却下通知)の取消しを求めた事案
第5部 刑事事件
第1章 「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」施行前において、市立中学校の教諭及び校長が当該市教育委員会で採択する教科書の選定に関与したことが、刑法197条1項の職務にあたるとされた事例