送達条約に関する裁判例を網羅しています。
送達条約の正式名称は、
民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約
同法は、国際私法、国際民事訴訟法の1つです。
目次
第1部 最高裁判例
第1章 1 香港高等法院がした訴訟費用の負担を命ずる裁判と民事執行法24条所定の「外国裁判所の判決」
2 併合請求の裁判籍が存在することを根拠に香港の裁判所に民訴法118条1号所定の「外国裁判所の裁判権」が認められた事例
3 司法共助に関する条約に定められた方法によらないと送達と民訴法118条2号所定の「訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達」
4 香港在住の当事者から私的に依頼を受けた者が我が国でした直接交付の方法による送達と民訴法118条2号
5 弁護士費用を含む訴訟費用全額の負担を命ずる裁判と民訴法118条3号所定の「公の秩序」
6 中国に返還される前の香港と我が国との間における民訴法118条4号所定の「相互の保証」の有無
第2章 米国の州によって同州港湾局の我が国における事務所の現地職員として雇用され,解雇された者が,雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認及び解雇後の賃金の支払を求めて提起した訴訟につき,同州は我が国の民事裁判権から免除されるとした原審の判断に違法があるとされた事例
第3章 訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続と民訴法118条3号にいう公の秩序
第2部 高裁判例
第1章 アメリカの裁判所が、日本の会社に対し、商品売買に関する債務不履行を理由に損害賠償を命じた外国判決について、民訴法200条1号の要件を具備していないとして、執行判決請求を棄却した事例
第2章 領事送達が不奏功であっても,中央当局送達で送達できる見込みもあるから,直ちに公示送達をすることはできないとされた事例
第3章 日本語の翻訳文が添付されていない呼出状等の送達をもって民事訴訟法118条2号の送達要件を満たしているとされた事例
第3部 地裁判例
第1章 1、執行判決を伴わない外国判決に基づく破産債権者の配当要求に対して、債権調査の際の異議者から該債権の消極的確定を求める法律上の利益(積極)
2、いわゆる外国判決不承認の訴の適法性とその管轄
3、民訴条約、送達条約の手続によらない外国裁判所の呼出手続に民訴法200条2号上の送達の違法があるものと認められた事例
第2章 アメリカ合衆国民が原告として提起した訴訟において、右原告が民訴条約特例法10条又は日米友好通商航海条約4条1項によって訴訟費用担保提供義務を免除されることはないとした事例
第3章 義務履行地を理由にわが国に国際裁判管轄を認めた事例
第4章 外国判決が民事訴訟法200条2項の要件を具備していないとして執行判決請求が棄却された事例
第5章 アメリカ合衆国ニューヨーク州の判決が旧民訴法200条2号の要件を欠くとしてその承認が否定された事例
第6章 ドイツのベルリン地方裁判所がした欠席判決及び費用額確定決定が民訴法118条各号所定の要件を具備するとして執行判決がされた事例
第7章 被告の日本の会社が,原告のアメリカの会社のために,原告の輸入商品の転売先から代金を受領し,上記代金から信用状に基づき支払われた輸入代金及び手数料を控除した残金を原告に支払う旨の契約を締結したところ,被告に債務不履行があったとして,損害賠償を求め,これを認めたアメリカの裁判所の判決に基づき,原告が,日本で金員の支払を求めたところ,請求を認容した事例
第8章 原告が,被告に対し,原告が輸入販売し又は使用するアクセサリー製品が,被告の商標権を侵害し又は侵害するおそれがある旨の告知又は流布することの差止め等を求め,謝罪広告及び損害賠償を求めた事案の欠席判決において,差止請求は「使用する」との点を除いて認容し,謝罪広告はその必要性を否定して棄却し,損害賠償請求は,その一部に限り認容した事例
第9章 中華人民共和国で設立された外国法人(被告)に対する訴状等の送達につき,民事訴訟法108条(外国における送達)の規定に従って行われるべきであるとの被告の主張を退け,日本国内に住所を有する被告の代表者の住所(民訴法103条)においてされた上記送達を有効とした事例