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2021年06月13日
『原爆被爆者援護法に関する裁判例』をアマゾンで出版しました。

原爆被爆者援護法に関する主な裁判例を網羅しています。

原爆被爆者援護法の正式名称は、

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律

(平成6年法律第117号)

同法は、原子爆弾の被爆者に対する補償などを定めた日本の法律です。

 被爆者援護法の制定経緯は、昭和32年の原子爆弾被爆者に対する医療等に関する法律(以下「原爆医療法」という。)に遡る。同法では、被爆者健康手帳の交付と医療給付が定められた。次いで、昭和43年原子爆弾被爆者に対する特別措置法(以下「原爆特別措置法」という。)が制定され、被爆者の生活援護のため各種手当金の支給が定められました。被爆者援護法は、平成6年これら原爆2法が一本化されたものです。

本法施行により、従前の

原子爆弾被爆者の医療等に関する法律

原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律

は廃止されました。

略称・通称は被爆者援護法、原爆被爆者援護法など。

同法は、行政法、社会保障法の1つです。

目次

第1部 最高裁判例

第1章  原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年改正前)による健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が国外に居住地を移転した場合における同手当の支給義務者

第2章  原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)による健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が国外に居住地を移転した場合における同手当の支給義務者

第3章  原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律等に基づき健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が外国へ出国したことに伴いその支給を打ち切られたため未支給の健康管理手当の支払を求める訴訟において支給義務者が地方自治法236条所定の消滅時効を主張することが信義則に反し許されないとされた事例

第4章  国の担当者が,原爆医療法及び原爆特別措置法の解釈を誤り,被爆者が国外に居住地を移した場合に健康管理手当等の受給権は失権の取扱いとなる旨定めた通達を作成,発出し,これに従った取扱いを継続したことが,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,当該担当者に過失があるとされた事例

第5章  在外被爆者が日本国外で医療を受けた場合における,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律18条1項の適用の有無

第6章  原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく被爆者健康手帳交付申請及び健康管理手当認定申請の各却下処分の取消しを求める訴訟並びに同取消しに加えて被爆者健康手帳の交付の義務付けを求める訴訟につき,訴訟の係属中に申請者が死亡した場合における訴訟承継の成否(積極)

第7章  放射線白内障についてカリーユニ点眼液の処方を受けながら経過観察を受けている被爆者が原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律10条1項所定の「現に医療を要する状態にある」と認められるとはいえないとされた事例

第8章  1 経過観察を受けている被爆者が原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律10条1項所定の「現に医療を要する状態にある」と認められる場合

2 経過観察自体が,経過観察の対象とされている疾病を治療するために必要不可欠な行為であり,かつ,積極的治療行為の一環と評価できる特別の事情があるといえるか否かについての判断の方法

3 慢性甲状腺炎について経過観察を受けている被爆者が原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律10条1項所定の「現に医療を要する状態にある」と認められるとはいえないとされた事例

第2部 高裁判例

第1章  1 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律1条の被爆者たる地位は、当該被爆者が日本に居住も現在もしなくなることにより当然に失われるものではない

2 来日して被爆者健康手帳の交付を受けて原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律1条の被爆者たる地位を取得し、かつ、同法27条の健康管理手当の支給認定を受けその後出国した在韓被爆者につき、同人が出国後も当該被爆者健康手帳の交付を受けて取得した同法1条の被爆者たる地位にあるとされ、同人に対し健康管理手当の給付が命じられた事例

第2章  被爆者健康手帳の交付を受けて原子爆弾被爆者に対する援護に対する法律1条の被爆者たる地位を取得した韓国人が,出国後に国外からした健康管理手当認定申請の却下処分につき,かかる処分を1律に認めない同法施行規則52条1項が法の委任に反して無効であるとして,かかる処分が取り消された事例

第3章  被爆者健康手帳の交付を受けた後に出国した在韓被爆者についてされた,日本国内に居住していないことを理由とする,原子爆弾被爆者援護に関する法律所定の葬祭料支給申請却下処分が取り消された事例

第4章  原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく健康管理手当受給権について,支給義務者である都道府県等が,政府の通達に基づいて,長期間にわたり在外被爆者に同手当を支給しない取扱いをしていたことから,在外被爆者の権利主張が事実上困難であったとしても,都道府県等が地方自治法236条所定の消滅時効を主張することが信義則違反ないし権利濫用にあたるものではないとされた事例

第5章  1 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく原爆症認定の要件である,原子爆弾の傷害作用に起因して負傷又は疾病にかかったこと(起因性),疾病等について現に医療を要する状態にあること(要医療性)が認められるとして,原爆症認定申請の却下処分を取り消した1審判決を維持した事例

2 原爆症認定申請の要件の1つである,起因性の判断基準が控訴審の審理段階で変更された場合には,新基準を判断の基礎とするのが相当であるとした事例

3 原爆症認定申請の判断について,審議会等の意見答申を受けてなした厚生労働大臣の却下処分には故意過失がないとして,国家賠償請求を棄却した1審判決を維持した事例

第6章  原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定申請に対する却下処分が申請に係る疾病の放射線起因性及び要医療性が認められるとして取り消された事例

第7章  肝硬変または心筋梗塞及び脳梗塞後遺症について放射線起因性が認められた事例

第8章  原爆症認定申請却下処分が違法として取り消されたが,国家賠償請求は理由がないとされた事例

第9章  厚生労働大臣のした原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項所定の認定の申請を却下する処分が違法でないとされた事例

第3部 地裁判例

第1章  原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく原爆症認定申請に対する却下処分について,放射線起因性または要医療性の判断を誤った違法があるとして,その取消請求が認容された事例

第2章  1 被爆者健康手帳の交付申請却下処分後に改めて同手帳の交付を受けた場合,同処分の取消を求める訴えは訴えの利益を欠くとして,訴えを却下した

2 国外からの被爆者健康手帳の交付申請を却下する処分は,国家賠償法上違法であるとはいえないとして,国及び広島県に対する国家賠償請求を棄却した

3 国外からの健康管理手当の認定申請を却下する処分は違法であるが,これに関して厚生労働大臣及び広島市長には過失があるとまではいえないとして,国及び広島市に対する国家賠償請求を棄却した

第3章  知事がなしたブラジル在住の被爆者からの被爆者健康手帳交付申請却下処分の取消し,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に定める被爆者の地位にあることの確認等を求めた事案について,地位確認の訴えは,訴を却下し,処分取消し請求につき,同法の趣旨は,知事に裁量権を与え,来日が困難など特段の事由が認められる場合に手続き的理由のみで申請を却下するのは裁量権の濫用に当るとして,却下処分を取消し,損害賠償請求を一部認容した事例

第4章  韓国に在住する女性が,被爆者健康手帳の交付申請却下処分の取消し及びその交付の義務付け,健康管理手当認定申請却下処分の取消しを求めた事案について,県知事が,被爆要件について判断することなく,申請者が来日しないことのみを理由として,被爆者健康手帳の交付申請を却下する処分をした場合には,その処分は違法であるとして,却下処分を取消し,被爆者健康手帳の交付を命じ,健康管理手当についても,出訴期間を徒過したものを除いて却下処分を取消し,国に対する訴えは却下した事例

第5章  韓国に居住する者が原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成20年改正前)に基づいて行った被爆者健康手帳の交付申請につき,日本国内に現在して申請を行わなかったことを理由としてされた却下処分が,違法とされた事例

第6章  労作性狭心症を申請疾病とする原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律11条1項に基づく原爆症認定申請に対する却下処分が違法であるとして取り消された事例

第7章  「黒い雨」被爆者健康手帳交付請求等事件

 

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