生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律の成立
令和2年12月4日,生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律(令和2年法律第76号)が成立し,
同月11日に公布されました。
近年,我が国ではいわゆる生殖補助医療の技術が進展し,生殖補助医療を受ける方も増加しています。
また,現に生殖補助医療により生まれた子は相当数に上り,今後も生まれることが見込まれます。
本法律は,このような現状を踏まえ,生殖補助医療の提供等に関し,基本理念を明らかにし,国及び医療関係者の責務並びに国が講ずべき措置について
定めるとともに,生殖補助医療の提供を受ける者以外の者の卵子又は精子を用いた生殖補助医療により出生した子の親子関係に関し,民法の特例を
規定するものです。
本法律では,生殖補助医療について,人工授精又は体外受精若しくは体外受精胚移植を用いた医療をいうとの定義が設けられています。
また,本法律の第3章において,生殖補助医療により出生した子の親子関係に関する民法の規律の特例が定められており,
その第9条では,女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し,出産したときは,その出産をした女性をその子の母とすると規定され,
第10条では,妻が,夫の同意を得て,夫以外の男性の精子を用いた生殖補助医療により懐胎した子については,夫は,その子が嫡出であることを否認することができないと規定されています。
日本では、代理母は認められていないが、そのような場合の取り扱いをも定めたものといえる。(同旨の最高裁判例あり)
夫側の不妊については、夫以外の男性の精子を用いることにつき、夫の同意が必要である。