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2022年02月10日
『国立大学法人法のアカデミック・ハラスメントに関する裁判例』をアマゾンで出版しました。

国立大学法人法のアカデミック・ハラスメントに関する裁判例を網羅しています。

国立大学法人法

平成15年7月16日法律第112号

同法は、行政法、行政組織法、教育法の1つです。

同法の主な内容は、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の組織及び運営について定めています。

関連法令として、国立大学法人法施行令、国立大学法人法施行規則、国立大学法人評価委員会令、教育基本法、学校教育法、独立行政法人通則法、旧・国立学校設置法(2004年(平成16年)4月1日に廃止)などがあります。

目次

第1部 民事訴訟事件

第1章  被告大学法人の設置・運営する同大学大学院環境科学研究科の教授であった原告が,研究科委員会における被告Y1の発言によって名誉を毀損されたとして,同被告に対し損害賠償を請求し,被告大学法人に対し,国家賠償法に基づき同様の金員の支払を求めた事案

第2部 労働事件

第1章  1 国立大学工学部物質工学科に勤務する助教授である原告が,物質工学科長らが行なった工学部化学科への立入禁止等の業務命令は,退職を強要する目的で行なわれた違法な業務命令であるなどとして,国家賠償法に基づき損害賠償を請求した事案である。

2 本件業務命令1のうち,学生に対する講義,研究指導等を免ずる部分は,セクハラ行為の対象者らが修士課程終了予定時後まで継続したこと及び大学内での研究活動を事実上禁止し,化学棟への立入りを禁止したことなどは違法として,原告の請求を一部認容した。

第2章  被告大学大学院生命環境科学研究科の教授の地位確認請求等につき、原告は現に同地位にあり、本件請求は,確認の利益を欠く訴えとして,却下した事例

第3章  被告の大学院教授として雇用されていた原告が,自らが責任著者となって科学学術論文を発表するに際し,助手と共同で信憑性と再現性の認められない論文を作成して学術誌に発表したことが被告の名誉又は信用を著しく傷つけたとして,被告から懲戒解雇されたため,その解雇の無効を主張して雇用契約上の地位の確認及び賃金の支払を求めた事案

第4章  債務者大学院助教であった債権者が,筆頭又は責任著者として発表した学術論文中に実験データ等を流用し,同論文を取り下げなかったことを理由とした懲戒解雇は無効として,債務者に対し,①従業員たる地位保全と②賃金等の仮払いを求めた事案

第5章  停職処分を受けた大学の準教授が,「農学部運営会議」は,期限を設けず準教授に学生の指導をさせないことを決め,処分期間後も学生の研究指導が認められず,精神的苦痛を受けたとして,同大学などに対する慰謝料請求訴訟において,農学部の最高議決機関の「教授会」ではなく,運営会議で決定したのは違法であるとした上で,事実上無期限停止になりかねない措置は,権利・利益を不当に制約しているとして,請求を一部認容した事例

第6章  X1らの非違行為は,①X1がゼミ生らに,自身が研究代表を務めるアイヌ語学研究総覧に関するプロジェクトへの参加およびアイヌ語電算化ライブラリープロジェクトへの参加を半ば強制したことにより,学生らを長時間拘束し勉学を阻害した行為,②その結果,学生Mを1時不登校ともいえる状態に至らしめたこと,③X1らが,かかる事態を承知していたにもかかわらず,学生の自主的活動であるとして何らの有効な改善策を講じなかった行為,④調査委員会による調査に,正当な理由なく応じなかった行為であるとされた例

第7章  原告(教授)が被告に,本件諭旨解雇は事実誤認または手続に違法があるから無効として地位確認と解雇後の給与等や慰謝料等の支払いを求める事案

第8章  自らの研究室に配属された学生に対するハラスメントなどを理由として被告大学(控訴人兼附帯被控訴人)から停職4月の懲戒処分を受け,その後学生の研究指導をさせない措置(以下,本件措置)を受けた准教授(一審原告,被控訴人兼附帯控訴人)の,大学及び農学部運営会議構成員(一審原告,被控訴人兼附帯控訴人)らに対する損害賠償請求について,原審が下した一部認容判決を不服として双方が控訴した事案

第9章  被告R大学があげる懲戒事由①(原告Xが学生に対し,「先生から電話があったことが分かったらどうしてすぐに折り返し電話をしないのか」,などと述べたこと),懲戒事由②(原告が17年学生の1人が体調を崩して診断書を提出したにもかかわらず,無視して作業を続けさせたこと)は,いずれも直ちに犯罪行為に該当するようなものではなく,R大学の懲戒処分標準例(懲戒規程3条2項)の出勤停止事例に直接該当するとは解されないこと,Xがこれまでに何らの懲戒処分を受けたことがないのみならず,就業規則73条の訓告や厳重注意も受けたことがないのであって,訓告,厳重注意,譴責ないし減給によってXの改善がおよそ期待できないような事情は本件記録上うかがえないことおよび本件処分が6か月間に及ぶ長期間の出勤停止処分であって,大学教員としての活動ができないのみならず,その間の収入を絶つものであることを考慮すると,上記懲戒事由①②に該当する事実の存在を前提としても本件処分をすることは,懲戒手続の際のXの対応を考慮してもなお重きに失し,R大学が懲戒権に関する裁量を逸脱しているとされた例

第10章 原告(教授)は,被告Y2から,アカデミックハラスメントなどの嫌がらせ行為等を受けたと主張して,被告国立大学法人和歌山大学(以下,被告大学)に対し,債務不履行又は使用者責任に基づき,また被告Y2に対し,不法行為に基づき,慰謝料の連帯支払を求めた事案

第11章 学生が安心して教育を受け,研究を行うことができるように配慮すべき立場にありながら,自ら,深夜に大学院生であるA女を教育研究のための施設である研究室に誘い,密室である研究室において性交渉の事実を疑われるような状況を作り出したXの行為は,就業規則所定の懲戒事由に該当するとされた例

第12章 被告大学の教授である原告が,被告元学長に対し,同人が発令した原告を戒告とする懲戒処分の無効確認を,被告大学に対し,不法行為に基づく賠償を請求した事案

第13章 被告神戸大学の附属病院血液内科長であった原告が,医学研究科長に就任した被告Bから違法な退職勧奨及び就労妨害行為等を受けたとして,Bに対し,慰謝料の支払を求め,神戸大学に対し,主位的に使用者責任,予備的に国家賠償法に基づいて,損害賠償を求めた事案

第14章 被控訴人(1審被告)Y大学の准教授である控訴人(1審原告)Xによる学生に対する「馬鹿」,「今年は単位をあげないので,大学を辞めるか,もう1年やるか,親と相談しなさい」,「論文を書いても見ない」などの発言や,ゼミ生全員が参加する学会準備に1人だけ参加させなかったこと,インターンシップ参加を希望する学生に対する中止の説得,院生に学部学生を指導させるなど行き過ぎた教育方法,時間割の逸脱,学生に対する不公平な扱いなどの行為について,アカハラ等の懲戒対象行為に該当するとした1審判断が維持された例

第15章 被告Y大学(茨城大学)が,原告Xら(大学教授2名)が行ったハラスメント被害にかかる訴訟(前訴)の提起および記者会見でのXら主張を非難する文書(学長所見)のうちA文言は,Xらの訴訟提起行為に対する意見ないし論評としての域を逸脱し,かつ,教職員らのXらに対する社会的評価の低下ないしその後の教職員らからの非難,無視,疎外によって孤立を余儀なくされたこと等による精神的損害を及ぼすに足りるものであったとして,慰謝料の請求が一部認容された例

第16章 国立大学の教授であった原告が,被告大学の院生であるAに対するセクハラ及び経費の不正請求を理由とした懲戒解雇処分を無効と主張し,地位確認等を求め,予備的に,同処分が有効としても,退職手当を不支給とする規程は無効とし,退職手当の支払いを求めた事案

第17章 被告大学院整形外科のA教授から成人病センターへの異動の受諾を説得されたため被告を退職して移籍した原告(被告医学部整形外科助教として勤務)が,被告の退職勧奨により退職した場合に該当するとして,既払の退職金(自己都合退職を前提)との差額の支払を求めた事案

第18章 被告大学(国立大学)の大学院保健研究科教授であった原告が,同科研究科長の被告Yのハラスメントで人格権が侵害され,重度ストレス反応,抑うつ状態に陥ったとし,被告Yと被告大学に対し,不法行為及び国賠法に基づく賠償を求めた事案

第19章 被告国立大学法人の特任教授であった原告が,停職3月の懲戒処分の無効確認等と損害賠償を求めた事案。主位的請求は民事訴訟を,予備的請求は行政訴訟を前提とした請求である。

第20章 被告(国立大学法人)の代表者学長及び理事が原告(教授)に対して違法なパワーハラスメントを行ったとは認められないとして,原告の被告に対する国家賠償法に基づく損害賠償請求を棄却した事例

第21章 Y2金沢大学の教室主任の教授で甲・丙事件原告兼乙事件被告Xの上司である甲事件被告兼乙事件原告Y1が,准教授であるXの使用する機器室とセミナー室との間に,ホワイトボード,パーテーションやキャビネットなど高さのある器具等を隙間なく,視界を遮るよう,間仕切り状に設置した行為は,Xに対する嫌がらせを目的としたものと評価せざるを得ないので,上記行為は,本件教室の教室主任としての裁量を濫用した違法な行為であるとされた例

第22章 被告国立大学法人の職員であった原告が,在職中の差別的扱いなどで精神的苦痛を受けたと主張し,不法行為等に基づく賠償を請求した事案

第23章 被告国立大学法人の医学部看護学科教授であった原告が,自ら指導していた大学院生の修士論文を盗用及び改ざんしたとしてされた懲戒解雇が無効として,被告に対し,労働契約上の地位確認等を求めた事案

第24章 原告(被告の医学部教授)が,学長選考会議に関する事項に関し,被告学長から違法な戒告処分(懲戒処分)を受け,学内専用ホームページ等で公表(学内周知行為)され名誉を棄損されたとして,被告に対し,慰謝料・勤勉手当減額による差額相当額の各支払,謝罪記事掲載を,各求めた事案

第25章 国立大学の教授(原告)が,学生に対するハラスメント行為を理由に被告大学法人から受けた停職6か月の懲戒処分につき①無効確認②臨床心理学専攻長等の地位確認③停職期間中の未払賃金,賞与の支払④慰謝料の支払⑤謝罪広告を求めた事案

第26章 被告大学の従業員であったXに対する被告Y3による各発言や叱責は,その回数および頻度が多く,継続的,執拗に行われたものといえるところ,指導や叱責を行う必要性に欠ける状況であったとは認められないことなどを考慮してもなお,上記発言等は一体として,職務上の地位または職場内の優位性を背景に,継続的にXの人格や名誉感情を侵害し,過重な精神的負担を与える言動であったといえ,社会通念上許容される限度を超えた,違法なパワハラ行為に当たるものであったというべきであるとされた例

第27章 控訴人(被控訴人法人の法務研究科所属の教授)と同僚教授である被控訴人ら(3名)間の職場内紛争に関し,被控訴人ら(3名)による本件決議(控訴人に本件研究科の授業を担当させない内容)やパワハラにつき,被控訴人ら(大学法人,同僚教授ら,人事審査委員長らの被控訴人ら)がこれらを認識しながら適切な対処をしなかったとして,被控訴人らに対し,損害賠償を求めるとともに,本件決議による調整給不支給は無効であるとして未払給与の支払等を求めた事案

第28章 国立大学法人の被告の学部長と副学部長を務めていた原告らが,各停職処分及び各解雇は無効,違法として,被告に対し,それぞれ(各停職処分の付着しない)労働契約上の地位確認,各停職期間中と各解雇後の未払賃金の支払,不法行為に基づく損害賠償金の支払を各求めた事案

第29章 原告(被告設置の大学の元教授)が,在勤中,被告から受けた停職6か月の懲戒処分の無効確認と損害賠償を求めた事案

第30章 被告国立大学法人薬学部の准教授である原告が,薬学部長からパワハラないし嫌がらせを受けたとして,また被告には職場環境配慮義務違反があるとして,国賠法に基づく慰謝料の支払を求めた事案。

第31章 国立大学法人である被告大学設置の大学院医学研究科講師の原告が,同研究科教授の被告2名から,違法な退職勧奨を含むパワーハラスメントを受けたとして,被告らに対し,不法行為,使用者責任又は国賠法等に基づき,各慰謝料の支払を求めた事案

第32章 被告設置の大学の教授で学科長であった原告が,停職1か月の懲戒処分は懲戒権を濫用したもので無効とし,被告に対し,①同処分の無効確認,②停職期間中の賃金の支払,③慰謝料の支払を各求めた事案

第33章 被告が設置運営する大学の大学院教授の原告が,同じく教授の被告補助参加人らが行った①原告の指導した学生の卒業論文発表に対する評価及び②原告の授業に関する学生に対するアンケートが原告の人格権や学問の自由を侵害する違法な行為であるとして,被告に対し,国賠法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案

第34章 本件は,被告法人の設置する病院において看護師として勤務していた原告が,同院の血液腫瘍内科師長であった被告Y1らから,パワーハラスメントや違法な退職勧奨を受けたことにより,適応障害を発症し,被告法人から退職することを余儀なくされたと主張して,①被告法人に対しては,主位的に民法715条1項及び民法415条1項,予備的には国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項及び民法415条1項に基づき,②被告Y1に対して民法709条に基づき,連帯して385万円及び遅延損害金の支払いを求める事案である。

第35章 国立大学法人である被告は,平成30年2月22日,教授として雇用する原告に対し,3か月間の停職とする懲戒処分をした。

 本件は,原告が,被告に対し,同懲戒処分は懲戒権を濫用した無効なものであると主張して,同懲戒処分が無効であることの確認(前記第1の1)を求めるとともに,同懲戒処分に基づき停職期間中に不支給とされた賃金及び賃金不支給に伴って減額された賞与の減額部分の支払,さらに,無効な懲戒処分をしたことが不法行為に当たるなどと主張して,不法行為に基づき,損害賠償(慰謝料)100万円及び遅延損害金の支払等を求める事案である。

第3部 入学・在学関係

第1章  国立大学附属中学校長が、同附属高校の一般入試を希望した同中学生徒の出願書類の作成を拒否したため、生徒が受験できなかったとして、生徒及びその両親が求めた国家賠償請求が認容された事例

第2章  国立大学法人の実施した同大学医学部医学科の入学試験に不合格とされた受験者が合否判定権の濫用を理由として入学の許可を求めた場合において,当該請求を同法人との在学契約締結の承諾の意思表示を求める趣旨と解しても,また,入学試験による選抜において合格との判定の意思表示を求める趣旨と解しても,いずれも理由がないとして,これを棄却した事例

第3章  子の親権者が,子は気管支喘息に罹患しており,学校教育法71条にいう「病弱者」に該当するとして,大阪市教育委員会が,特別支援学校である大阪市立B養護学校に,子を仮に就学させるべき旨の指定通知を命ずることを求めた事案

第4章  子の親権者(母)が,子はアレルギー性皮膚炎に罹患するなどしており,学校教育法72条にいう「病弱者」に該当するとして,行政事件訴訟法37条の5第1項に基づき,大阪市教育委員会が仮に子を養護学校に就学させるべき旨の指定通知をすべき旨を命ずることを求めた事案について,同校の廃校に方向は出ていても条例の改正等の具体的な手続がとられていない以上,学校指定を仮に義務付けたとしても,同校の管理運営に支障等が生じるとは認められないし,申立人の申立を認容した事例

第5章  国立大学法人岐阜大学の教員による大学院生に対する休学強要等のハラスメント行為につき不法行為責任を認めた事例

第6章  国立大学(京都大学)の教授らによる,博士課程に在籍する原告らに対する留年措置及び共著勧奨等の行為につき,国立大学法人に国家賠償法1条1項による損害賠償責任を認めたが,原告らの請求権は時効により消滅したとして原告らの請求を棄却した事案

第7章  大学院修士課程に在籍していた中国人留学生の被控訴人(附帯控訴人)が,控訴人(附帯被控訴人)である研究指導教員から休学を強要されるなどのアカデミック・ハラスメントを受けたと主張し,同教員に対し損害賠償を求めた訴訟において,公共団体である国立大学法人に講師として雇用されて学生に対する教育活動をゆだねられた職員は国家賠償法1条1項の「公務員」に該当し,国立大学法人が被害者に対し損害賠償責任を負っている以上,職員個人が重ねて民事上の損害賠償責任を負うことはないとした事案

第8章  難民認定を受けていたイラン人に対しイラン国籍を理由とする安全保障上の配慮に基づいてされた国立大学法人である東京工業大学附置研究所の研究生としての入学不許可の決定が,国籍を理由として不合理な差別をしたもので憲法14条1項及び教育基本法4条1項に違反し無効であるとして,入学不許可決定の無効確認請求が認容された事例

第9章  国立大学の准教授が統一協会の信者である学生に対し、統一協会を批判し、同学生の両親が統一協会の合同結婚式を通じて結婚したことを批判したことにつき、国立大学の国家賠償責任が認められた事例

第10章 被告Y2(国立大学法人)の大学院の博士課程に所属していたAの自殺に関し,原告ら(Aの両親)が,被告Y1(Aの指導教員)に対し不法行為に基づく損害賠償を,Y2に対し,(主位的)民法715条に基づき,(予備的)不法行為・債務不履行又は国賠法による損害賠償をそれぞれ求めた事案。

第11章 国立大学法人の教授が大学院生に対し,ゼミや指導の過程において行った言動がアカデミックハラスメントに当たるとして,同教授の不法行為責任が認められた事例

第12章 国立大学法人北海道大学である被告が,授業料に未納があることを理由に元学生である原告が提出した退学願いを受理せず,原告からの在学契約の解除を認めない取扱いをしていた事案

第13章 本件は,A大学医学系研究科(大学院)の博士課程に在籍し,満期退学後は客員研究員になったXが,指導教員である同科講師のY2により,いわゆるアカデミックハラスメントを含む不適切な指導等がされたことが違法であり,これにより博士論文を作成できず博士号を取得できなくなって学費が無駄になり,精神的苦痛を被った等と主張して,Y2に対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき,Y1に対しては国家賠償法1条1項又は使用者責任による損害賠償請求権に基づき,連帯して損害金652万5640円及び遅延損害金の支払を求める事案である。

第4部 文書提出命令

第1章  1 国立大学法人が所持しその役員又は職員が組織的に用いる文書についての文書提出命令の申立てと民訴法220条4号ニ括弧書部分の類推適用

2 民訴法220条4号ロにいう「公務員」には国立大学法人の役員及び職員も含まれるか

第5部 行政訴訟事件

第1章  大学教授である原告が,助手に対するセクハラ行為を理由に,懲戒処分を受けたことを不服として,この処分の取消を求めた事案について,原告が助手に対して行った行為は,人事院事務総長通知「懲戒処分の指針」の条項に該当し,国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行というべきであり,その行為態様からすれば,本件処分が相当性を欠くものということはできないとして,請求を棄却した事例

第2章  国立大学法人の講師である原告の大学院生に対するセクシュアル・ハラスメントを理由とする戒告処分につき,処分理由の一部の事実認定に事実誤認が認められるものの,当該処分が社会通念上著しく妥当性を欠き,裁量権を濫用したと認めることはできず,手続上の違法も認められないとして,当該処分は適法であるとした事例

第3章  大学教授に対する学長の3月間停職の懲戒処分につき、審査の違法性を認めなかった事例

第4章  1 大学院教授がセクハラをしたとして停職3か月の懲戒処分が適法とされた事例

2 セクハラをした大学院教授に対し,懲戒処分とは別に,約3年間にわたってすべての教育活動の停止,大学運営への参加停止措置をとることは,約2年を経過した時点で違法になるとされた事例

第5章  国立大学の当時から教員として勤務していた外国人と国立大学法人との雇用契約が契約期間の満了により終了したとされた事例

第6章  1 平成15年法律第117号による改正前の大学の教員等の任期に関する法律(任期法)による任期制及び同法3条1項を受けて定められた当該大学の規則等による任期制は,いずれも憲法23条に違反しないとされた事例

2 国立大学の学長が,任期法に基づき任期付き教授として任用された者に対して行った任期満了の通知は,再任をしないとの決定をしたことと併せて考慮しても,行政事件訴訟法3条2項の処分に当たらないとされた事例

第7章  5年の任期で被告大学の再生医科学研究所教授の任用を受けた控訴人が,総長による不再任処分に対し,任期を定めた附款部分を違憲無効とし,地位確認と処分の取消し等を求め,原審が請求を却下ないし棄却したのに対する控訴事案

第8章  被告大学文部科学事務官であった原告が,私立大学の医学部に入学を希望する者の入学をあっ旋するとの名目で医師から金員を騙し取ったこと,国家公務員法で禁じられた兼業禁止義務違反を理由として,被告大学長がした原告に対する懲戒免職処分の取消を求めた事案

第9章  国立大学の助教授・控訴人が,女子大生Aの精神的混乱に乗じ性交渉に至る関係を結んだとして6か月間の停職処分を受けたことにつき,事実誤認等を理由にその取消しを求め,請求棄却の原審に対する控訴事案

第10章 本件は,文部科学大臣が,国立大学法人高知大学の学長に訴外Cを任命した処分に関し,学長候補者Aと学長選考会議の委員Bが,主位的に任命処分の無効確認を,予備的に処分の取消しを求めた事案

第11章 被告北海道大学の教員である原告らが,被告国に対し,文部科学大臣がした学長の任命処分の取消しを,被告大学に対し,原告らが支援した学長候補者の原告X1が選考されなかったとして慰謝料を請求した事案。

第12章 原告(労働組合)と参加人(大学法人)との間の団体交渉において,参加人による不誠実な対応・団交拒否が労組法7条2項の不当労働行為に当たるとして,府労委に対する救済命令申立てを棄却され,同初審命令を不服とする再審査申立てを棄却した中労委の命令(本件命令)の取消しを,被告(国)に求めた事案

第13章 給与法は,職員の地位に必然的に伴う給与決定について,法適合性を確保するために,人事院の職権による更正決定を認め,給与決定に苦情のある職員には,その職権発動を促す審査の申立てのみを認めたものと解するのが相当であるとして,給与決定の審査申立てに対する決定は,行訴法3条2項所定の処分性を有しないとされた例

第14章 被控訴人補助参加人組合が,控訴人(1審原告)の学長が,本件組合が学長選考の再考を求めるビラを配布したことなどを大学の信用失墜行為などと発言し,ウェブサイトに掲載したことなどが不当労働行為に当たるとした申立てにつき,県労委が救済の一部認容をし,控訴人が,再審査申立てにつき中労委がした棄却命令の取消しを被告(国)に求めた事案の控訴審。

第15章 原告(国立大学法人山形大学)が,被告に対し,55歳超の教職員の昇給抑制及び給与制度の見直しによる賃金引下げに係る団体交渉での交渉態度が不当労働行為に該当するとしてした,被告補助参加人(労働組合)の申立てに対する救済命令の一部の取消しを求めた事案。

第6部 知的財産事件

第1章  京都大学大学院生命科学研究科の修士課程に在籍していた原告が,特許権に係る発明(名称:「癌治療剤」)は,原告が在籍中に行った実験結果や論文に基づくもので,原告は発明者の1人であるとして同特許権を共有の被告らに対し,①発明者であることの確認,②特許権の持分の移転登録手続,③共同不法行為の賠償を,各求めた事案。

 

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