取締役の違法行為差止請求権に関する裁判例を網羅しています。
取締役の違法行為差止請求権(会社法360条)は少数株主権です。
目次
第1部 最高裁判例
第1章 新株が株主総会の特別決議を経ることなく株主以外の者に対して特に有利な発行価額をもって発行された場合と新株発行の無効原因
第2章 株主以外の第三者に対する株式いわゆる時価発行における発行価額が「著シク不公正ナル発行価額」にあたらない場合
第2部 下級審裁判例
第1章 公募株式の発行価額が著しく不公正であるかどうかの判定
第2章 新株発行無効の訴を提起することを主たる目的として当該新株を譲り受けて株主となつた者が提起した右訴の適否(積極)
第3章 株式会社の新株発行が著しく不公正な方法によるものでないとされた事例
第4章 非上場株式の新株発行価額が商法208条ノ2第2項の「特ニ有利ナル発行価額」に当らないとされた事例
第5章 新株買取引受契約に基づき証券業者に対してなした新株の発行が、商法288条の2第2項の「特に有利な発行価額」をもってなしたものにあたらないとされた事例
第6章 株式会社の新株発行が著しく不公正な方法によるものでないとされた事例
第7章 第三者割当の新株発行価額が決定時の市場株価の半額以下であっても著しく不公正な発行価額とはいえないとされた事例
第8章 1、第三者割当ての新株発行価額は、発行価額決定時における旧株の株価を基準として、これに新株発行に伴う諸要因を加味して決定されるべきであるとした事例
2、株式会社の新株発行が著しく不公正な方法によるものでないとされた事例
第9章 コンピュータ周辺機器の企画開発・保守等を目的とする株式会社新株予約券の発行の差止めが認められた事例
第10章 株式会社に特定株主の株式保有を嫌って新株を発行したのではないかとの疑いを全く否定できないにせよ、新株発行につき資金調達という合理的理由が存する以上、本件新株発行は著しく不公正な方法によるものということはできないとした事例
第11章 新株発行が著しく不公正な方法によるものとはいえないとされた事例
第12章 新株の発行が時価より著しく有利な価額によるものであり、かつ著しく不公正な方法によるものであるとして、その発行が差し止められた事例
第13章 1、非上場、非店頭売買の新株の発行が商法280条ノ2第2項の「特に有利なる発行価額」にあたるか否かにつき疎明がないとされた事例
2、新株の発行が特定株主の持株割合を低下させるためになされたものであっても、商法280条ノ10の「著しく不公正な方法によるもの」と断定できないとされた事例
第14章 商法349条により株主から買取請求のあつた株式の価格の決定事例
第15章 非上場会社が定款記載の事業目的に違反すると疑われる事業を行ったことにより損害を蒙り、これを補填するために新株を発行するにあたり、新株を一括して第三者に割当て、その新株の発行価格が公正でないと疑うべき判示のような事情があるときには、(1)定款記載の事業目的の範囲を超えた事業を行ったことによる損害を知るために必要な限度、(2)新株発行における公正な発行価額を算出するために必要な限度において、検査役を選任するのが相当である。
第16章 新株発行が著しく不公正な方法によるものとはいえないとされた事例
第17章 投資信託及び投資法人に関する法律に基づき設立された投資法人が行う募集投資口の発行価額について、同法82条6項の「公正な金額」ということのできないものであって、同法人の代表者による募集投資口の発行は、同法82条6項に違反する違法があるとともに、善管注意義務および忠実義務に違反する違法があるものとして、その発行の仮の差止めが認められた事例
第18章 新株の発行が第三者に対し特に有利な発行価額でされるものとはいえず、また著しく不公正な方法によるものであるともいえないとして、新株発行差止仮処分の申請が却下された事例
第19章 新株の発行が時価より著しく有利な価額によるものであり、かつ著しく不公正な方法によるものであるとして、その発行が差し止められた事例
第20章 新株の発行が第三者に対し特に有利な発行価額でされるものとはいえず、また著しく不公正な方法によるものであるともいえないとして、新株発行差止仮処分の申請が却下された事例
第21章 第三者割当による新株発行とその差止めを求める仮処分の許否
第22章 第三者割当による新株発行とその差止めを求める仮処分の許否
第23章 新株の発行価額が「特ニ有利ナル発行価額」に該当し株主総会の特別決議を経ないで行われた以上商法280条ノ2第2項に違反するものとしてその発行の差止めが認められた事例
第24章 経営不振の状態に陥っているグループ企業を支援するために同社の優先株を引き受ける旨を決定したことが取締役としての善管注意義務に違反するとはいえないとされた事例
第25章 1部上場会社において筆頭株主の持株比率を著しく低下させる新株発行について「著シク不公正ナル方法」によるものと認められなかった事例
第26章 商法280条ノ39第4項,280条ノ10の「著シク不公正ナル方法」による新株予約権の発行であるとされた事例
第27章 株主総会に手続上の違法が生ずることについて疎明があるが、株主総会が開催されることによって会社に回復困難な重大な損害を被らせることについて疎明がないときは、株主総会開催禁止の仮処分命令の申立ては、被保全権利および保全の必要性についての疎明がないことに帰し、これを却下するのが相当である。
第28章 取得条項付きの募集新株予約券の発行が有利発行にあたるとして,仮差止めが認められた事例
第29章 新株発行の差止めを求める仮処分命令の申立てが理由がないとして却下された事例
第30章 債務者の株主が,新株発行について,発行価額が「特に有利な金額」であるにもかかわらず,株主総会の決議を得ていない法令違反があるなどとして,新株発行の仮に差止めを求めた事案について,発行価額は,合理的な金額を算出しているといえるとし,会社法の規制に違反する「特に有利な金額」であるとすることはできないとし,新株発行の目的が,設備投資のための資金調達を目的とするもので,新株発行が,会社法の規定に反した「著しく不公正な方法」によるとはいえないとして,申立てを却下した事例
第31章 新株発行の差止めを求める仮処分命令の申立てが理由がないとして却下された事例
第32章 新株予約権付社債の発行について、特に有利な条件による発行(有利発行)に該当するものとは認められなかった事例
第33章 取締役の解任を株主総会の議案とするかどうかについての取締役会の決議について、当該取締役が会社法369条2項の「特別の利害関係を有する取締役」に当たるとされた事例
第34章 1 取締役の違法行為差止請求権における差止めの対象となる行為
2 取締役が株主総会の議長として権限を行使すること全般についての差止めを求めることが許される場合
3 会社の取締役が定款の定めに基づき株主総会の議長に就任する場合における取締役の善管注意義務