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2022年09月19日
株式併合によるMBO後の残存少数株主のスクイーズアウト

株主総会決議取消請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/令和3年(ネ)第840号

【判決日付】      令和3年9月21日

【判示事項】      1 議決権行使の基準日を定めなかった場合における、招集通知の発送後、その株主総会の開催までに株式譲渡により株式を取得した株主に対する招集通知発送の要否

             2 会社法181条1項の通知と同法180条2項各号の事項が記載された招集通知の送付

             3 会社法施行規則33条の9第2号イと自己株式の消却

             4 先行株式併合と日時が近接し、株式併合の目的を同じくする後行株式併合における端数処理交付金額

             5 代理人の氏名等が白紙である委任状に基づく議決権行使の効力

             6 株主名簿に株式を取得した日として記載される日

【判決要旨】      1 株主総会を開催するに際して議決権行使の基準日を定めなかった場合、株主総会の招集通知は、その発送の時点において株主名簿に記載または記録されている株主に対して発送すれば足り、招集通知の発送後、その株主総会の開催までに株式譲渡により株式を取得した株主がいたとしても、当該株主に改めて招集通知を発送する必要はない。

             2 会社法180条2項各号の事項が記載された招集通知の送付をもって同法181条1項の通知をしているといえる。

             3 自己株式の消却は、「会社財産の状況に重要な影響を与える事象」(会社法施行規則33条の9第2号イ)に当たらない。

             4 先行株式併合において客観的にみて公正な手続が実質的に履践された上で端数処理交付見込額が定められている場合には、先行株式併合と日時が近接し、株式併合の目的を同じくする後行株式併合においても、特段の事情がない限り先行株式併合における手続で定められた端数処理交付金額を尊重すべきであるとした事例。

             5 株主総会において議決権の代理行使を委任状によって行う場合、あらかじめ議案として示された内容について、賛否の意思が示されていれば、受任者(代理人)の住所、氏名が白紙であっても無効ではなく、受任者はその委任者の意思どおりに議決権を有効、適法に行使したものと解される。

             6 株主名簿に株式を取得した日として記載されるのは、一般に名義書換請求を会社が受け付けた(受理した)日である。

【参照条文】      会社法831

             会社法299

             会社法369-2

【掲載誌】        金融・商事判例1639号13頁

 

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