この2つの最高裁第1小法廷判決は罪刑法定主義(憲法31条~39条)に沿ったものです。
その後、ストーカー規制法2条(定義)および3条(つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして不安を覚えさせることの禁止)は、これらの無罪判決を受けて、GPSは「見張り」に含まれる等の改正がされました。
やはり、裁判長裁判官 山口 厚(元・東京大学教授、元・早稲田大学大学院法務研究科教授、東京大学名誉教授)は、偉大ですね。
有印私文書偽造,同行使,ストーカー行為等の規制等に関する法律違反被告事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/平成30年(あ)第1528号
【判決日付】 令和2年7月30日
【判示事項】 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成28年法律第102号による改正前のもの)2条1項1号にいう「住居等の付近において見張り」をする行為の意義
【判決要旨】 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成28年法律第102号による改正前のもの)2条1項1号にいう「住居等の付近において見張り」をする行為に該当するためには,機器等を用いる場合であっても,好意の感情等を抱いている対象である特定の者又はその者と社会生活において密接な関係を有する者の「住居等」の付近という一定の場所において同所における上記特定の者等の動静を観察する行為が行われることを要する。
【参照条文】 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平28法102号改正前)2-1
【掲載誌】 最高裁判所刑事判例集74巻4号476頁
裁判所時報1749号1頁
判例タイムズ1482号61頁
判例時報2478号149頁