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2022年10月07日
会社法355条(忠実義務)の「法令」の意義

旧商法の判例

 

取締役損失補填責任追及及び共同訴訟参加事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成8年(オ)第270号

【判決日付】      平成12年7月7日

【判示事項】      一 商法二六六条一項五号にいう「法令」の意義

             二 会社がその業務を行うに際して遵守すべき規定に会社をして違反させることとなる取締役の行為と商法二六六条一項五号にいう法令違反行為

             三 複数の株主が共同して追行する株主代表訴訟において共同訴訟人の一部の者が上訴をした場合に上訴をしなかった者の上訴審における地位

【判決要旨】      一 商法二六六条一項五号にいう「法令」には、取締役を名あて人とし、取締役の受任者としての義務を一般的に定める商法二五四条三項(民法六四四条)、商法二五四条ノ三の規定及び取締役がその職務遂行に際して遵守すべき義務を個別的に定める規定のほか、会社を名あて人とし、会社がその業務を行うに際して遵守すべきすべての規定が含まれる。

             二 取締役が会社をして会社がその業務を行うに際して遵守すべき規定に違反させることとなる行為をしたときは、右行為が取締役の受任者としての業務を一般的に定める規定に違反することになるか否かを問うまでもなく、商法二六六条一項五号にいう法令に違反する行為をしたときに該当する。

             三 複数の株主が共同して追行する株主代表訴訟において、共同訴訟人である株主の一部の者が上訴をした場合、上訴をしなかった者は、上訴人にならない。(一、二につき補足意見がある。)

【参照条文】      商法266-1

             商法267

             民事訴訟法40-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集54巻6号1767頁

 

会社法

(忠実義務)

第三百五十五条  取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。

 

(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)

第四百二十三条1項  取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

(役員等の第三者に対する損害賠償責任)

第四百二十九条1項  役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

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