不当利得返還請求事件
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷判決/昭和62年(オ)第253号
【判決日付】 平成6年2月8日
【判示事項】 恩給受給者が国民金融公庫からの借入金の担保に供した恩給につき国が公庫にその払戻しを完了した後に恩給裁定が取り消された場合における国の公庫に対する払渡金返還請求の許否
【判決要旨】 恩給受給者甲が国民金融公庫(乙)からの借入金の担保に供した恩給につき国が乙にその払渡しをした後に、甲に対する恩給裁定が取り消されたとしても、乙は甲に対して恩給を担保に貸付けをすることを法律上義務付けられており、しかも恩給裁定の有効性については乙自ら審査することはできず、これを有効なものと信頼して扱わざるを得ないものであることなど、判示事情の下において、国が恩給裁定の取消しの効果が乙に及ぶとして、右払渡しに係る金員の返還を求めることは許されない。
【参照条文】 国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律3
民法703
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集48巻2号123頁