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2022年10月16日
対抗力を具備しない土地賃借権者に対する建物収去、土地明渡の請求が権利の濫用となるとされた事例

 

家屋収去土地明渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和37年(オ)第93号

【判決日付】      昭和38年5月24日

【判示事項】      対抗力を具備しない土地賃借権者に対する建物収去、土地明渡の請求が権利の濫用となるとされた事例

【判決要旨】      甲が乙より土地を賃借した後、右土地の所有権が乙、丙、丁と順次譲渡された場合において、丙は乙の実子であり、丁は乙、丙その他これと血族または姻族関係にある者の同族会社であって、その営業の実態は乙の個人営業をそのまま引き継いだものであり、乙がその中心となっている等原判示のような事情(原判決理由参照)があるときは、甲の右賃借権及びその所有の地上建物につき登記がなくても、丁において、甲の右賃借権が対抗力を有しないことを理由に建物収去、土地明渡を求めることは、権利の濫用として許されない。

【参照条文】      民法1

             建物保護ニ関スル法律1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集17巻5号639頁

 

 

借地借家法

(借地権の対抗力)

第十条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。

2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。

 

 

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