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2022年10月16日
住職たる地位の存否の確認を求める訴と訴の適否

 

罷免無効確認、損害賠償、不動産等引渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和51年(オ)第958号

【判決日付】      昭和55年1月11日

【判示事項】      1 住職たる地位の存否の確認を求める訴と訴の適否

             2 特定人の住職たる地位の存否が同人の具体的な権利又は法律関係をめぐる紛争につきその当否を判定する前提問題となつている場合と住職たる地位の存否についての裁判所の審判権

【判決要旨】      1 寺院の住職たる地位の確認を求める訴が単に宗教上の地位についてその存否の確認を求めるものであるにすぎない場合には、右住職たる地位が宗教法人たる寺院の代表役員たりうる基本資格となるものであるときでも、右訴は、確認の訴の対象たるべき適格を欠くものに対する訴として不適法である。

             2 特定人の住職たる地位の存否が他の具体的権利又は法律関係をめぐる紛争につきその当否を判定する前提問題なつている場合には、裁判所は、その判断の内容が宗教上の教義の解釈にわたる場合でない限り、右住職たる地位の存否について審判権を有する。

【参照条文】      裁判所法3

             民事訴訟法225

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集34巻1号1頁

 

 

裁判所法

第一編 総則

第一条(この法律の趣旨) 日本国憲法に定める最高裁判所及び下級裁判所については、この法律の定めるところによる。

第二条(下級裁判所) 下級裁判所は、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所とする。

② 下級裁判所の設立、廃止及び管轄区域は、別に法律でこれを定める。

第三条(裁判所の権限) 裁判所は、日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。

② 前項の規定は、行政機関が前審として審判することを妨げない。

③ この法律の規定は、刑事について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。

第四条(上級審の裁判の拘束力) 上

 

 

確認の訴え

民事訴訟法上の訴えの一つ。その内容たる請求が特定の権利または法律関係の存在または不存在の主張であるもの。積極的確認の訴え (たとえば所有権確認の訴え) と消極的確認の訴え (たとえば親子関係不存在確認の訴え) に分かれる。確認の訴えの要件としては,確認の対象が現在の権利または法律関係自体の存否であることが必要である。ただし現在の権利関係を生み出した基礎となる過去の基本的な法律関係について,それを確定することが現在の紛争の抜本的処理に適切であれば過去の法律関係でも確認の利益が認められる。また例外的に,法律関係を証する書面 (たとえば遺言,手形) が真正に作成されたものかどうかという証書真否の確認を求める訴えが許される。

 

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