ゴルフクラブへの外国人の入会を制限する旨の理事会決議は民法90条に違反するものではないから同決議に基づいて在日韓国人のゴルフクラブへの入会を拒否したことが違法ではないとされた事例
東京高等裁判所判決/平成13年(ネ)第3550号
平成14年1月23日
ゴルフ会員権譲渡承認等、理事会決議無効確認等請求控訴事件
【判示事項】 ゴルフクラブへの外国人の入会を制限する旨の理事会決議は民法90条に違反するものではないから同決議に基づいて在日韓国人のゴルフクラブへの入会を拒否したことが違法ではないとされた事例
【判決要旨】 私人である社団ないし団体には結社の自由が保障されているから、新たな構成員の加入条件は、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができるものであって、結社の自由を制限してまでも相手方の平等の権利を保護しなければならないほどに、相手方の平等の権利に対して重大な侵害がされ、その侵害の態様、程度が憲法の規定の趣旨に照らして社会的に許容しうる限界を超えるといえるような極めて例外的な場合に限り、新たな構成員の加入を拒否する行為が民法90条により無効となり、民法709条の不法行為にあたるものというべきであるところ、私的な社団としてのゴルフクラブの構成員の加入を国籍によって制限することは、そのような例外的な場合に該当するものということはできない。
【参照条文】 憲法14-1
憲法21-1
民法90
民法709
【掲載誌】 金融・商事判例1138号31頁
判例時報1773号34頁