混合組合について、労組法が適用される職員に関しては労組法上の「労働組合」に該当し、同法に基づき不当労働行為救済の申立てをすることができるが、労組法が適用されない職員に関しては労組法上の「労働組合」に該当せず、同法に基づく不当労働行為救済の申立てをすることができないとした原審の判断が維持された事例
大阪高等裁判所判決平成28年12月22日
『平成29年重要判例解説』労働法10事件
泉佐野市職員労働組合事件
不当労働行為救済命令取消請求控訴事件
【判示事項】 一 いわゆる混合組合について、労働組合法が適用される職員に関しては労組法上の「労働組合」に該当し、同法に基づき不当労働行為救済の申立てをすることができるが、労組法が適用されない職員に関しては労組法上の「労働組合」に該当せず、同法に基づく不当労働行為救済の申立てをすることができないとした原審の判断が維持された事例
二 組合が財政健全化を理由とするチェック・オフの有償化に応じないことを理由に、市がチェック・オフを中止したことが、労組法7条3号の不当労働行為(支配介入)に該当するとした原審の判断が維持された事例
三 市が、チェック・オフに関する団体交渉を拒否したことが、労組法7条2号の不当労働行為(正当な理由のない団体交渉拒否)に該当するとした原審の判断が維持された事例
四 労働委員会が、市の不当労働行為(チェック・オフの中止)により労働組合が組合費徴収のために支出した口座振替手数料相当額を労働組合に支払うよう市に命ずることは、救済方法に関して裁量の範囲内にあるとした原審の判断が変更され、このような救済命令は労働委員会の裁量の範囲を越えた違法なものであるとされた事例
注、混合組合は,労働組合の組合員のうち一部は地方公務員法の適用のある(すなわち労働組合法の適用のない)職員であり,一部は地方公営企業労働関係法により労働組合法の適用のある職員で構成される。
【参照条文】 労働組合法2
地方公務員法58-1
労働組合法7
労働組合法27の12
【掲載誌】 判例時報2327号96頁