あおり運転をして普通乗用車を自動二輪車に追突させて、被害者を被害車もろとも転倒させて死亡させた事案につき、殺人罪の成立を認めた事例
殺人被告事件
【事件番号】 大阪地方裁判所堺支部判決/平成30年(わ)第398号
【判決日付】 平成31年1月25日
【判示事項】 被告人が普通乗用車を運転して主要地方道堺狭山線(片側3車線)を進行中,被害者運転の大型自動二輪に後方から追い抜かれて前方に進入されたことなどに立腹し,被害車両を追跡し,第1車線から第3車線に車線変更した上,被害車両に接近させ,あえてその後部に自車前部を衝突させて,転倒した被害者をガードロープ支柱等に激突させて多発性脳挫傷一部脳欠損により死亡させ殺害した殺人の事案。
検察官は殺意を主張し,弁護人は被告人が被害車両を追跡しておらず,本件衝突はブレーキ操作を誤った過失によるとして過失運転致死の成立を主張。
裁判所は,被害車両に対するハイビームの照射,立て続けのクラクション,被害車両に同調した車線変更,衝突前後の一連の言動などから,怒りに基づく意図的な追跡で,あえて被害車両に衝突させたとして殺意も認定し,懲役16年に処した事例
【掲載誌】 判例時報2503号86頁