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2023年03月27日
暴言,暴行、退職強要のパワハラにより自殺した労働者につき会社と代表取締役らに損害賠償責任が認められた事例~メイコウアドヴァンス事件

暴言,暴行、退職強要のパワハラにより自殺した労働者につき会社と代表取締役らに損害賠償責任が認められた事例~メイコウアドヴァンス事件

 

名古屋地方裁判所判決平成26年1月15日

損害賠償請求事件

メイコウアドヴァンス事件

【判示事項】 1 被告Y2の亡Kに対する暴言,暴行および退職強要のパワーハラスメントが認められるところ,Y2のKに対する暴言および暴行は,Kの仕事上のミスに対する叱責の域を超えて,Kを威迫し,激しい不安に陥れるものと認められ,不法行為に当たると評価するのが相当であり,また,本件退職強要も不法行為に当たると評価するのが相当であるとされた例

2 短期間のうちに行われた本件暴行および本件退職強要がKに与えた心理的負荷の程度は,総合的にみて過重で強いものであったと解されるところ,Kは,警察署に相談に行った際,落ち着きがなく,びくびくした様子であったこと,警察に相談した後は,「仕返しが怖い」と不安な顔をしていたこと,自殺の約6時間前には,自宅で絨毯に顔を擦り付けながら「あーっ!」というなどの行動をとっていたことが認められることに照らすと,Kは,従前から相当程度心理的ストレスが蓄積していたところに,本件暴行および本件退職強要を連続して受けたことにより,心理的ストレスが増加し,急性ストレス反応を発症したと認めるのが相当であり,以上の経緯と,遺書の記載内容を合わせ考えると,Kは,上記急性ストレス反応により,自殺するに至ったと認めるのが相当であり,Y2の不法行為とKの死亡の間には,相当因果関係があるとされた例

3 Y2は被告Y1社の代表取締役であること,および,Y2によるKに対する暴言,暴行および本件退職強要は,Y1社の職務を行うについてなされたものであることが認められるのであるから,会社法350条により,Y1社は,Y2がKに与えた損害を賠償する責任を負うとされた例

【参照条文】 会社法350

       民法709

       民法715

【掲載誌】  判例時報2216号109頁

       労働判例1096号76頁

       労働経済判例速報2203号11頁

 

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