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2023年03月29日
MoM要件・東京機械製作所事件

MoM要件・東京機械製作所事件

 

 

新株予約権無償割当差止仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件

【事件番号】      東京高等裁判所決定/令和3年(ラ)第2391号

【判決日付】      令和3年11月9日

【判示事項】      債務者である株式会社が同社の取締役会決議に基づいて現に手続中の新株予約権無償割当てについて同社の株主である債権者がこれを仮に差し止める旨の仮処分を求める申立てを被保全権利の疎明を欠くとして却下した保全裁判所の決定が即時抗告審において是認された事例

【判決要旨】      債務者である株式会社が同社の取締役会決議に基づいて現に手続中の新株予約権無償割当てについて同社の株主である債権者がこれを仮に差し止める旨の仮処分を求める申立てを被保全権利の疎明を欠くとして却下した保全裁判所の決定は、原判示および本判示の事実関係の下においては、本件申立てには被保全権利の疎明を欠くといわざるを得ない以上、これを是認することができる。

【参照条文】      会社法109

             会社法247

             会社法278

             民事保全法23

             民事保全法24

【掲載誌】        金融・商事判例1641号10頁

 

MoM要件とは、

M&Aにおいて会社の支配権の割合を表す用語の一つであり、マジョリティ・オブ・マイノリティとは、マイノリティ(少数派)の中の過半数を意味する。

 

M&Aにおいては、MBOなどの特に少数株主の利害が損なわれる恐れがある取引において、マジョリティ・オブ・マイノリティを満たすことを案件の成立条件とするものがある。

 

株式非公開化となる上場会社のMBO案件において、公正性を担保する措置の一つとして、利害関係を有する大株主を除いた少数株主の中で、少なくとも過半数の応募を当該TOBの成立条件とする案件がみられる。

 

 

 今回注目されたのは、東京機械が防衛のために使った「マジョリティー・オブ・マイノリティー(MOM)」と呼ぶ手法だ。株主総会で、利害関係がある大株主(敵対的買収者)を除いた少数株主だけで採決することなどを指す。東京機械は防衛策の是非を問う臨時総会の決議で、約4割の株式を持つアジア開発などの議決権行使を認めなかった。防衛策の総会決議でMOMを用いた国内初の事例とみられる。

 

 

会社法

(株主の平等)

第百九条 株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。

3 前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。

 

第二百四十七条 次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。

一 当該新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合

二 当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合

 

(新株予約権無償割当てに関する事項の決定)

第二百七十八条 株式会社は、新株予約権無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法

二 前号の新株予約権が新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権付社債についての社債の種類及び各社債の金額の合計額又はその算定方法

三 当該新株予約権無償割当てがその効力を生ずる日

四 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該新株予約権無償割当てを受ける株主の有する株式の種類

2 前項第一号及び第二号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第四号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の新株予約権及び同項第二号の社債を割り当てることを内容とするものでなければならない。

3 第一項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

 

 

民事保全法

(仮処分命令の必要性等)

第二十三条 係争物に関する仮処分命令は、その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。

2 仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる。

3 第二十条第二項の規定は、仮処分命令について準用する。

4 第二項の仮処分命令は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。ただし、その期日を経ることにより仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。

(仮処分の方法)

第二十四条 裁判所は、仮処分命令の申立ての目的を達するため、債務者に対し一定の行為を命じ、若しくは禁止し、若しくは給付を命じ、又は保管人に目的物を保管させる処分その他の必要な処分をすることができる。

 

 

 

 

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