芸能タレントの労働者性についての本件通達に基づいてY1の労働者性を否定したX社の主張は失当であるとされた例
損害賠償請求事件
【事件番号】 東京地方裁判所判決/平成27年(ワ)第33606号
【判決日付】 平成28年7月7日
【判示事項】 1 被告Y1は,原告X社の指揮監督の下,時間的場所的拘束を受けつつ,業務内容について諾否の自由のないまま,定められた労務を提供しており,また,その労務に対する対償として給与の支払いを受けているものと認めるのが相当であり,したがって,本件契約に基づくY1のX社に対する地位は,労働基準法および労働契約法上の労働者であるというべきであるとされた例
2 芸能タレントの労働者性についての本件通達に基づいてY1の労働者性を否定したX社の主張は失当であるとされた例
3 Y1の本件契約に基づくX社に対する地位は労働者ということになるから,本件契約が締結されてから1年以上が経過してからされた本件申出は,Y1がX社を退職する旨の意思表示ということができるのであって,これにより本件契約は解除されたというべきである(労働基準法137条)とされ,X社の損害賠償請求が棄却された例
【掲載誌】 労働判例1148号69頁
労働基準法
第百三十七条 期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。