目次
風俗営業法の正式名称は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律である。
旧法は、風俗営業等取締法である。
第1章 1 国または地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟の適否
2 地方公共団体が建築工事の中止命令の名あて人に対して同工事を続行してはならない旨の裁判を求める訴えが不適法とされた事例
第2章 風俗営業の地域的制限の根拠となる診療所等の施設を設置する者が風俗営業の許可の取消しを求める訴訟において原告適格(行政事件訴訟法9条)が認められた事例
第3章 学校や病院などの保護対象施設から200m以内の地域での風俗案内所の営業を禁じる京都府条例が、営業の自由を保障する憲法に反するなどとして、風俗案内所を営んでいた1審原告が、風俗案内所を営む法的地位を有することの確認などを求めた訴訟の控訴審
第4章 風俗営業の名義貸しと風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(平成10年改正前のもの)26条1項(営業の停止等)に基づく風俗営業の許可の取消し
第5章 1 風営法8条(許可の取消し)による営業許可取消しは、必要的取消しでなく裁量的取消しである
2 公安委員会が風営法8条による営業許可取消処分をするに当たり、必要的取消しの規定と解釈して右処分を行ったとしても、右解釈の誤りが直ちに処分の違法をもたらすものではないとされた事例
第6章 パチンコ店において、外部者と内部従業員が共謀して、遊技機の主基板を不正に改造された裏ロムが内蔵された主基板に取り替える不正改造が行われたことについて当該パチンコ店に対して公安委員会がなした営業停止の行政処分が取り消された事例
第7章 ぱちんこ遊技場を開設しようとする業者からの、医療法27条に基づく診療所の設備構造使用許可処分の効力の執行停止を求める申立てについて、申立人適格(行政事件訴訟法9条)を欠くとしてこれを却下した事例
第8章 1、風俗営業等取締法4条の4第3項に当たる個室付浴場営業は承継され得るか(消極)
2、行政事件訴訟法36条にいう「法律上の利益」
第9章 個室付浴場業事件
第1節 個室付浴場業の開業を阻止することを主たる目的としてされた知事の児童遊園設置認可処分が行政権の著しい濫用によるものとして国家賠償法1条1項にいう公権力の違法な行使にあたるとされた事例
第2節 知事の児童遊園地設置認可処分が行政権の濫用に相当する違法性を帯びているとして個室付浴場業を規制しうる効力がないとされた事例
第3節 個室付浴場業の開業を阻止することを主たる目的としてなされた県知事の児童福祉施設設置認可処分が行政権の著しい濫用であり、国家賠償法1条1項にいう公権力の違法な行使にあたるとして、県および右認可に関する事務を県知事に機関委任した国に対する損害賠償請求が認容された事例
第10章 パチンコ業者らが風俗営業の許可に係る規制を利用して競業者において購入した出店予定地での営業許可を受けることができないようにする意図の下に近接する土地等を児童遊園として社会福祉法人に寄付した行為が不法行為を構成するとされた事例
第11章 罰則と合憲性
第1節 風俗営業等取締法第3条(営業の許可)に基づく東京都風俗営業等取締法施行条例第22条(営業時間の制限)の合憲性
第2節 風俗営業等取締法8条(許可の取消し)と憲法31条37条
第3節 昭和39年長崎県条例第61号風俗営業等取締法施行条例24条4号と憲法31条
第4節 1、車庫つき個室モーテル営業を規制した風俗営業等取締法4条の6第1項は憲法22条1項に違反しないとされた事例
2、既設のモーテル営業者に対する営業廃止処分は補償がなくても憲法29条3項に違反しないとされた事例
第5節 店舗型性風俗特殊営業の規制に係る改正規定の施行に関し、既存業者の営んでいる営業について改正規定を適用しないことが憲法14条1項、22条1項に違反するとの主張が、原判決の結論に影響を及ぼさない違憲の主張であるとされた事例
第12章 罰則
第1節 静岡県風俗営業等取締法施行条例29条2号にいう「客引をし、またはさせないこと」の意義
第2節 風俗営業等取締法施行条例26条1号にいう「客引」の意義
第3節 風俗営業取締法第1条第1号にいう「客の接待」の意義
第4節 風俗営業等取締法1条2号にいう「客の接待」の意義
第5節 富山県風俗営業等取締法施行条例第26条第1号に「もっぱら酒類を提供する営業」にあたる事例
第6節 神奈川県風俗営業取締法施行条例第28条2の(4)は風俗営業取締法第3条に基づくものと認め得るか
第7節 風俗営業等取締法第3条(営業の許可)の法意
第8節 営業の一部廃止と風俗営業等取締法施行条例(昭和39年福井県条例39号)12条にいう「営業所の構造設備の変更」
第9節 回胴式遊技機(通称パチスロ機)に打ち込み機(通称モーニング機)を接続したことをもって、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律49条3項1号、9条1項(構造及び設備の変更等)、20条10項(遊技機の規制及び認定等)にいう「遊技機の変更」に当たり、かつ、同法律に基づく許可申請書の付添書類等に関する総理府令5条が定める「軽微な変更」に当たらないとされた事例
第10節 無許可でパチンコ営業をした者に対する擬律
第11節 福岡県風俗営業等取締法施行条例第24条にいう「客に提供した賞品」は他の遊技場で提供した賞品を含むか(消極)
第12節 風俗営業取締法に基く長野県公安委員会の許可条件を無視した遊技営業行為が賭博罪となる1事例
第13節 風俗営業者が、営業所において客に賭博等の善良の風俗する行為をさせた罪と、みずから賭者となって賭博をした罪との関係
第14節 長野県風俗営業取締法施行条例第18条第1号と風俗営業取締法第3条所定の制限事項の範囲
第15節 ゲイバーと風俗営業等取締法の適用法条
第16節 1 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律49条4項に規定する18歳未満の者の年齢不知に関する過失がないというために果たすべき注意義務の内容
2 右注意義務を果たしておらず、年齢不知に関し過失があるとされた事例
第17節 児童福祉法第34条第1項第5号に規定する「満15歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為」の意義
第18節 個室ビデオ店が、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条6項3号(用語の意義)、同法施行令2条1号の定める「専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる興行の用に供する興行場」に当たるとされた事例
第19節 両罰規定の適用遺脱が判決に影響を及ぼすことが明らかであるとされた事例
第20節 名義貸しを受けて風俗営業店(キャバクラ)を営業し、売上金の一部を他人名義(営業名義人)の預金口座で管理していた無許可営業および犯罪収益等隠匿事件において、没収・追徴保全された現金および預金債権に関し、没収・追徴を科さなかった原判決を破棄し、没収・追徴を言い渡した事例
第21節 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条1項8号の定める風俗営業を無許可で営む罪と賭博場開張図利罪は、同じ期間に同じ施設・設備を利用した場合であっても併合罪として処断されるとした原判決の判断を是認した事例