歩道橋設置行為の行政処分性
東京高等裁判所判決/昭和48年(行コ)第35号
昭和49年4月30日
行政処分取消請求控訴事件
【判示事項】 歩道橋設置行為の行政処分性
【判決要旨】 歩道橋の設置は、公物たる道路の管理行為に属し、歩道橋設置の決定は行政庁の内部的意思の確定行為であり、工事契約は請負契約と異ならず、工事そのものは契約履行としての事実行為であつて、右一連の行為を全体として評価しても、抗告訴訟の対象となる行政処分には該当しない。道路付近の住民が横断歩道により道路を横断していたことは道路利用の反射的利益にすぎず、歩道橋設置により自動車の交通の円滑さが多少促進されることは道路施設の整備拡充に通常伴う現象であり、歩道橋設置による風致美観の毀損は、付近住民の主観的、情緒的な感情か道路利用上の反射的利益にすぎないものであって、環境権の名のもとに歩道橋設置を排除すべき権利ないし法律上の利益と認めることはできない。
【参照条文】 行政事件訴訟法3
交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法
【掲載誌】 高等裁判所民事判例集27巻2号136頁
行政事件裁判例集25巻4号336頁
東京高等裁判所判決時報民事25巻4号77頁
判例タイムズ309号155頁