鶴岡灯油訴訟事件
テーマ:独占禁止法
最高裁判所第2小法廷判決/昭和60年(オ)第933号、昭和60年(オ)第1162号
平成元年12月8日
『平成元年重要判例解説』経済法事件
損害賠償請求事件
鶴岡灯油訴訟事件
【判示事項】 1、独占禁止法25条1項に定める違反行為によって損害を被ったことと民法上の不法行為に基づく損害賠償請求
2、消費者が独占禁止法3条にいう「不当な制限」に当たる価格協定による損害の賠償を民法上の不法行為に基づき請求する訴訟において価格協定の実施直前の小売価格をもっていわゆる想定購入価格と推認することができるための要件
【判決要旨】 1、独占禁止法25条1項に定める違反行為によって損害を被った者は、その行為が民法上の不法行為に該当する限り、同法の規定に基づき損害賠償の請求をすることができる。
2、消費者が事業者に対し、独占禁止法3条にいう「不当な取引制度」に当たる価格協定による損害の賠償を民法上の不法行為に基づき請求する訴訟において、価格協定の実施直前の小売価格をもっていわゆる想定購入価格と推認することができるのは、価格協定の実施当時から消費者が商品を購入する時点までの間にその商品の小売価格形成の前提となる経済条件、市場構造その他の経済的要因等に変動がないときに限られる。
(1につき意見、2につき補足意見がある。)
【参照条文】 民法709
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2-6
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律3
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律25-1
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2-9
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律19
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集43巻11号1259頁