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2023年09月24日
早期退職に伴う退職奨励金について,統一的・画一的に労働者に対し適用される規定が存在する場合

早期退職に伴う退職奨励金について,統一的・画一的に労働者に対し適用される規定が存在する場合には,多数の労働者の協働を図る事業体における労働条件の統一的・画一的決定の要請により就業規則の定めを求める労基法89条の趣旨(法89条3の2参照)を尊重して,当該規定の文言を基礎として当事者の意思を合理的に解釈すべきであり,本件制度に基づく退職奨励金請求権の発生要件についても,本件制度を定めた内規の文言を基礎として,内規の文言と一体となったと認められる労使の解釈慣行を検討することにより,これを決すべきであるとされた例

 

 

 

              早期退職奨励金請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成12年(ワ)第15744号

【判決日付】      平成13年11月9日

【判示事項】      1 早期退職に伴う退職奨励金について,統一的・画一的に労働者に対し適用される規定が存在する場合には,多数の労働者の協働を図る事業体における労働条件の統一的・画一的決定の要請により就業規則の定めを求める労基法89条の趣旨(法89条3の2参照)を尊重して,当該規定の文言を基礎として当事者の意思を合理的に解釈すべきであり,本件制度に基づく退職奨励金請求権の発生要件についても,本件制度を定めた内規の文言を基礎として,内規の文言と一体となったと認められる労使の解釈慣行を検討することにより,これを決すべきであるとされた例

             2 50歳台層に対する3か月前までの申請を条件とする退職奨励金制度につき,その対象者には合意解約による退職者のみならず解約告知による退職者も含まれると解され,また退職予定日の3か月前の申請の要求は,本件制度による退職の場合は労働者からの解約告知について予告期間を14日で足りるとした就業規則の規定および民法627条1項等の規定にかかわらず3か月とする旨定めたものと解されうるから,これらの文言をもって直ちに被告人事部長の承諾が権利の発生に必要な制度と解することはできないとされた例

             3 本件制度の内規では,退職奨励金請求権が発生するには「満50歳の誕生日から満60歳の誕生日の前日に退職する」こと,すなわち退職の合意ないし解約告知の効果が発生する申請書に記載された退職予定日の経過によって退職することおよぴその退職日に労働者が満50歳以上60歳未満であることが必要と考えられ,本件制度は申請のみで権利が発生する制度とは認められず,原告は,申請書の退職予定日以前に希望退職制度に応募して50歳の誕生日の前に被告を退職したのであるから,その要件は満たしておらず,退職奨励金請求権は発生しないとされた例

【掲載誌】        労働判例819号39頁

             労働経済判例速報1787号22頁

 

 

労働基準法

(作成及び届出の義務)

第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

 

 

民法

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

2 期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。

 

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