満9歳の小学生が掘りに転落して溺死した事故につき堀の設置、管理に瑕疵がないとされた事例
最高裁判所第3小法廷判決/昭和57年(オ)第330号
昭和58年10月18日
損害賠償請求事件
【判示事項】 満9歳の小学生が掘りに転落して溺死した事故につき堀の設置、管理に瑕疵がないとされた事例
【判決要旨】 満9歳の小学生が大阪城の外堀に転落して溺死した事故につき、外堀に沿つて設置された高さ約1・2メートルの生垣が事故現場の西方約25メートル、東方約28メートルまでしかなく、また、外堀に沿つて設置された高さ1メートルの棒杭に有刺鉄線を張つた柵が右生垣の東端から東方にはところどころに残存しているにすぎないため、事故現場付近では自由に外堀の縁まで近付きうる状況にあつても、外堀付近が特別史跡に指定されており、事故は右小学生が水面から約2メートルの高さの垂直の石垣を降りて下方でザリガニを取つたのち石垣を登ろうとして足を滑らせたために起きたなど原判示の事実関係のもとにおいては、本件外堀の設置、管理に瑕疵があるとはいえない。
【参照条文】 国家賠償法2-1
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事140号137頁
判例タイムズ513号141頁
判例時報1099号48頁