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2023年09月26日
民法(債権法)の平成29年改正その7 第8章 意思能力制度の明文化

第8章 意思能力制度の明文化

意思能力制度の明文化

意思能力制度とは、意思能力を有しない者がした法律行為は無効となること。

意思能力は、行為の結果を判断するに足るだけの精神能力。例えば、交通事故や認知症などにより意思能力(判断能力)を有しない状態になった方がした法律行為(契約など)は無効であることは,判例で認められており,確立したルールです。高齢化社会の急速な進展に伴い,重要性も増しています。

しかし,民法にはこのことを定めた規定がありませんでした。そこで,このルールを条文に明記しています。

旧法

自らが締結した売買契約の無効を主張して、代金の返還等を求めることができることにより、判断能力が低下した高齢者等が不当に不利益を被ることを防ぐことが可能。

高齢化社会が進展する中で意思能力制度の重要性はますます高まっている。

※ 類似の制度として、高齢者等の保護を図る成年後見制度がある。成年後見制度の利用のためには、事前に家庭裁所の審判を得ていなければならないが、意思能力制度は事前に家庭裁判所の審判を得ていなくとも利用が可能。

※ 意思能力を有しなかった者(右上のケースでは買主)の原状回復義務(受け取った商品の返還)の範囲は、現に利益を受けている限度にとどまると解されている。

問題の所在

判例・学説上は、異論なく認められ、実際にも活用されているが、民法に明文の規定はない。

改正法の内容

・ 民法を国民一般に分かりやすいものとする観点から、意思能力を有しない者がした法律行為は無効とすることを明文化【新§3条の2】

※併せて、意思能力を有しなかった者が相手方にする原状回復義務の範囲は、「現に利益を受けている限度」にとどまる旨の規定を新設【新§121条の2第3項】

 

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