最近のアカデミックハラスメントの事案~学校法人兵庫医科大学病院事件
テーマ:労働法
大阪高等裁判所判決平成22年12月17日
学校法人兵庫医科大学病院事件
損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件
【判示事項】 1 大学病院の耳鼻咽喉科の医師である控訴人X(1審原告)が,被控訴人Y1大学(1審被告)の耳鼻咽喉科教授であるY2(1審被告)から違法な差別的処遇を受けたことについて,不法行為に基づきY1らによる損害賠償責任が認められた例
2 Y1らが,Xに対する具体的な改善指導を行わず,期限の定めのないままXを臨床担当から外し,臨床等の機会を全く与えない状態で雇用を継続したことにつき,およそ正当な雇用形態ということはできず,差別的な意図に基づく処遇であったとされた例
3 Y2が約10年間という長期にわたり,Xに臨床や教育を担当させず,関連病院へ外部派遣することも中止したことについて,Y2の合理的な裁量の範囲を逸脱した違法な差別的処遇とされ,不法行為に基づき200万円の損害賠償責任が認められた例
アカデミックハラスメントの事案である。
【掲載誌】 労働判例1024号37頁