台風の影響による降雨によって床上浸水等の被害に遭った原告らが,土地の売主である被告自治体に対し,損害賠償を求めた事案
損害賠償請求事件
【事件番号】 京都地方裁判所判決/平成27年(ワ)第3452号、平成28年(ワ)第2679号、平成28年(ワ)第2834号
【判決日付】 令和2年6月17日
【判示事項】 台風の影響による降雨によって床上浸水等の被害に遭った原告らが,土地の売主である被告自治体に対し,損害賠償を求めた事案。
裁判所は,ハザードマップに記載された情報を提供することで宅地の購入に当たっての意思決定に必要かつ十分な情報を提供したということはできないとして,被告は,原告の一部に対して,売主としての説明義務を尽くさなかったとする一方,被告の担当職員から売買契約締結に先立ってハザードマップを示され,浸水被害が生じる恐れがあるとされる区域にあることを認識したにもかかわらず,売買契約を締結した原告について,3割の過失相殺を認めるなどして,請求を一部認容した事例
【参照条文】 民法709
【掲載誌】 判例時報2481号17頁
民法
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺)
第七百二十二条 第四百十七条及び第四百十七条の二の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
国家賠償法
第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
② 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。