債務の履行不能後目的物の価格が値上りした場合に請求しうる損害賠償額
抵当権設定登記抹消等請求事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/昭和36年(オ)第135号
【判決日付】 昭和37年11月16日
【判示事項】 債務の履行不能後目的物の価格が値上りした場合に請求しうる損害賠償額
【判決要旨】 債務の目的物の価格が履行不能後値上りをつづけて来た場合において、履行不能となつた際債務者がその事情を知りまたは知りえたときは、債務者が口頭弁論終結時の価格まで値上りする以前に目的物を他に処分したであろうと予想された場合でないかぎり、右終結時において処分するであろうと予想された場合でなくても、債権者は、右終結時の価格による損害の賠償を請求しうる。
【参照条文】 民法416-2
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集16巻11号2280頁
最高裁判所裁判集民事63号237頁
民法
(損害賠償の範囲)
第四百十六条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。