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2023年10月18日
刑事訴訟法の平成28年改正その4 第4章 刑事免責制度の新設

第4章 刑事免責制度の新設

改正法により,刑事訴訟法第157条の2として,

 

1 検察官は、証人が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのある事項についての尋問を予定している場合であって、当該事項についての証言の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状その他の事情を考慮し、必要と認めるときは、あらかじめ、裁判所に対し、当該証人尋問を次に掲げる条件により行うことを請求することができる。

➀ 尋問に応じてした供述及びこれに基づいて得られた証拠は、証人が当該証人尋問においてした行為が第161条または刑法第169条の罪に当たる場合に当該行為に係るこれらの罪に係る事件において用いるときを除き、証人の刑事事件において、これらを証人に不利益な証拠とすることができないこと。

② 第146条の規定にかかわらず、自己が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのある証言を拒むことができないこと。

2 裁判所は、前項の請求を受けたときは、その証人に尋問すべき事項に証人が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのある事項が含まれないと明らかに認められる場合を除き、当該証人尋問を同項各号に掲げる条件により行う旨の決定をするものとする。

 

との規定が新設され,

 

同第157条の3として,

 

1 検察官は、証人が刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのある事項について証言を拒んだと認める場合であって、当該事項についての証言の重要性、関係する犯罪の軽重及び情状その他の事情を考慮し、必要と認めるときは、裁判所に対し、それ以後の当該証人尋問を前条第1項各号に掲げる条件により行うことを請求することができる。

2 裁判所は、前項の請求を受けたときは、その証人が証言を拒んでいないと認められる場合またはその証人に尋問すべき事項に証人が刑事訴追を受け、若しくは有罪判決を受けるおそれのある事項が含まれないと明らかに認められる場合を除き、それ以後の当該証人尋問を前条第1項各号に掲げる条件により行う旨の決定をするものとする。

との規定が新設されました。

 これらは,証人が有している自己負罪拒否特権(刑事訴訟法第146条)を失わせて証言を強制すること,そして,(当該証人尋問における行為が同第161条のいわゆる宣誓証言拒否罪または刑法第169条の偽証罪に当たる場合に当該行為・当該罪に係る事件において用いるときを除き)それによって得られた証言や証言によって得られた派生的証拠を当該証人自身の刑事事件において証拠とすることができないことを旨とする,いわゆる刑事免責制度です。

 この刑事免責制度は,供述証拠を得る手段であるという点では前記⑵の協議・合意制度と共通している一方,適用対象について罪名による限定が存在しない点,合意によることを前提としていない点では同制度と異なっています。

 

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