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2023年11月05日
消費者契約法の平成28年・30年改正その15 第17章 高齢者等に関する不安をあおる告知の付加

第17章 高齢者等に関する不安をあおる告知の付加(4条3項5号)

(1)加齢または心身の故障による判断力の著しい低下により生活の維持に過大な不安を抱いている消費者に対し、事業者が、その事実を知りつつ不安をあおり、不安の解消に当該消費者契約が必要であると告げ、合理的な判断ができない心情(困惑)に陥った消費者に当該消費者契約を締結させた場合には、当該消費者は当該契約を取り消すことができるという規定が付加されました。

例:認知症で判断力が著しく低下した消費者の不安を知りつつ「この食品を買って食べなければ、今の健康は維持できない」と告げて勧誘する行為など

(2)この規定は、3号に「社会生活上の経験が乏しいことから」といった字句があることを踏まえ、加齢や疾病で判断力が著しく低下している消費者への「不安をあおる告知」も取り消すことができる旨を明定すべく、衆議院で付加されました。上記の経緯から、この規定は3号と重畳的に適用され得る規定です。

(3)「判断力が著しく低下」とは、判断力がわずかしか低下していない場合にまで取消権を付与するのは不適切であるという観点から規定されたものであり、過度に厳格に運用されてはならない要件です。

 

これは、高齢者を中心に判断力が低下した消費者を狙って、その判断力低下につけ込んで不安をあおって売り込む商法を主にターゲットにしたものです。

 

 

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